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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

現役幹部が明かすトヨタの新たな“知恵”
「JKK」(自工程完結)の全貌

佐々木眞一・トヨタ自動車相談役・技監インタビュー

週刊ダイヤモンド編集部
2015年11月28日
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「カイゼン(Kaizen)」や「カンバン(Kanban)方式」(トヨタ生産方式)など、これまで世界でも知られている“知恵”を生み出してきたトヨタ自動車。実はトヨタには、これらに続く、もう1つの知られざる“知恵”が存在する。「自工程完結」。海外ではそのまま「Ji Kotei-Kanketsu」、あるいは略して「JKK」と呼ばれるこの取り組みの中身を初めて明かした書籍『トヨタの自工程完結』の著者は、なんとトヨタ現役幹部だ。著者その人に、JKKの考え方のエッセンスを聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)

何のための仕事か?
大企業病の処方箋にも効果あり

――『トヨタの自工程完結』を読んで最初に感じたのは、これはいわゆる「大企業病」にも通じる話だということでした。自工程完結(JKK)という概念を導入した背景には、実はトヨタなりの大企業病に対する危機感があったのではないか、と。そもそも大企業病とは、どういう病気だとお考えでしょうか?

佐々木眞一(ささき・しんいち)
トヨタ自動車相談役・技監。1970年北海道大学工学部機械工学科卒業、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。品質管理畑に長らく従事。96年取締役、2003年常務役員、05年専務取締役、トヨタモーターヨーロッパ社長、09年取締役副社長を経て13年より現職

 大企業病というのは、組織がお客様のため“以外”の仕事をやり始めることです。その度合いが大きければ大きいほど、症状が深刻であると言えます。

 どんな会社であっても、仕事の目的・目標というのは本来、「お客様に対して、ある価値をお届けする」ことにありますよね。その目的に向かって、企業は自分たちの仕事のプロセスを設計しているはずです。

 ところが企業の様々な仕事のプロセスを眺めると、「組織を守るため」「メンツを守るため」、あるいは「上司がいい顔をするため」だけに部下が一生懸命書類を書いていたり……というケースがあまりに多いことに気がつきます。

 大企業では、どうしても仕事の目的と中身が乖離してくるんだと思います。だから、一生懸命仕事をしても、結果で文句を言われてしまう理不尽さがあまりに多い。これに対してJKKの考え方では、仕事の「目的・目標」に対して、まずは仕事の「プロセス」を正しく設計する。これが第一ステップなんです。

――JKKとは要するに、「自分の持ち場(自工程)でやるべきこと、やらなくていいことを自ら素早く判断できる(完結)」というのがポイントなのでしょうか?

 そうですね。大企業というのは、1つの仕事をするにも関係部署がとにかく増えていますよね。だから、各部門が部分最適に走るのではなく、全員が同じ目的・目標に向かうために、各部門・個人レベルにまでしっかりと落としこんで仕事のプロセスを設計していくのです。それがJKKの取り組みの要点です。

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