日経平均株価は来年春先までには2万円の大台を回復し、アベノミクス相場の最高値をうかがう展開になるだろう。

 公的年金(3共済)・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の国内株式買い入れや、補正予算、税制改正、ゆうちょ・かんぽの限度額規制緩和(見込み)、春闘賃上げなど株価を支える要因に事欠かない。

 米国利上げ観測の高まりとともに円安(ドル高)が進み、ECB(欧州中央銀行)が追加量的緩和に踏み切れば、利回り追求行動に拍車が掛かりそうだ。

 2016年3月期の企業収益は円安の追い風もあって過去最高益となる見込み。世界景気の先行き不安が後退すれば、増配で株主に報いようとする会社が再び増えても不思議はない。

 ただし、日経平均株価が2万円台を維持していくことは容易ではない。世界景気の回復ペースは緩慢なものにとどまりそうであり、円安の追い風がやめば、会社側が本決算発表で開示する17年3月期の企業収益見通しは、12年3月期以来5期ぶりとなる「減益」を見込むところも出てきそうだ。

 日本株を支えてきた利益の成長がストップすれば、米国株や欧州株に比べて割高な水準となってきた日本株に対するプレミアムは剥落する可能性がある。

 本決算発表後の転換点は16年7月の参議院選挙だ。自民党は衆参両院で単独過半数、そして連立与党で圧倒多数(3分の2)の確保を目指しているとされる。