メルトダウンが最も進んだのは
2号機だった!

広瀬 2号機の内部の実態については、誰にもわかっていないし。

マコ ですから、いま、2号機に近づくために周辺を片づけ始めています。
 実態は全然わかっていないのですが、2号機は一番大規模なメルトダウンが進んだと考えられています。

広瀬 そこを読者にわかりやすく解説してください。

マコ 2号機は爆発こそしていませんが、環境中に最も大量の放射性物質を出したと見られています。去年8月、「未確認・未解明事項の調査・検討結果のご報告~第2回進捗報告~」から「事故時に観測された中性子と燃料溶融との関連について」という資料が出てきました。 その解析によると、まず地震と津波で冷却装置が失われ、1、2、3号機ともに水位が低下して、水から顔を出した燃料棒が過熱状態になりました。それで慌てて消防車で水を入れようとしました。

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 でも、燃料棒が過熱状態になっていたので、水を入れ続けると、水蒸気が発生して内部の圧力が高くなってしまい、消防車のポンプ能力では注水できなくなりました。そこで、水がすべて蒸発し、内部の圧力が下がって、消防車のポンプで水が入れられるようになるまで待ちました。図の(5)から(1)に戻り、また同じことを繰り返します。爆発があった1号機と3号機では、これを1回行いました。なぜなら、爆発したので、水蒸気の圧力が逃げるルートができたからではと言われています。ところが一方、2号機は、これを3回繰り返しました

 この経過の何が問題かというと、過熱した燃料棒に水をかけたので、燃料棒を包んでいる被覆管のジルコニウムが反応し、「水―ジルコニウム反応」が起こりました。そのときに大量のエネルギーが放出され、燃料の温度が急激に上昇し、燃料が熔融して、2号機で大規模なメルトダウンが進行したと考えられています。

広瀬 ということは、排気筒が倒壊して、2号機を少しでも傷つけたら大変な事態になります。