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美人のもと

目利き

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第64回】 2010年5月31日
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 美人はスーパーマーケットなどで野菜を真剣に選んでいる姿が似合う。一生懸命、野菜と向き合っている。もちろん他のものでも材料や賞味期限などしっかり見るのだが、ひときわ野菜に真剣だ。これだと思ったものを持ち、しっかり見て、気に入らなければそっと置きなおす。

 たぶん野菜はひとつひとつの表情が豊かなのだと思う。そして見た感じだけではなく、持ってみていろいろ感じられるからなのだろう。

 ごく当たり前のようだが、これができない人が多い。そもそも野菜の前は時間をかける人が多いので、混んでいる。そこできちんと待てるか。他人を平気で押しのけて、乱暴に野菜を扱い、戻すときも投げるような人が意外と多いのだ。しっかり見ていない。向き合っていないのだ。当然「美人のもと」が減っているように
見える。

 そういう人のなかで、しっかりと野菜に向き合っている姿は目立つものだ。実にいい顔をしている。この野菜で何ができるだろう。何を与えてくれるのだろう。そんなことを考えている表情は美しいと思う。

 それなりに選択基準を持っていて、それに自分の今の気持を掛け合わせて考える。目利きを楽しんでいるようだ。

 野菜だけではない。自分なりの基準を持って楽しんで買う場が好きだ。たくさんのものの中から選ぶ。洋服や靴だってそうだし、本だってそうだ。選択の幅が広いものの方が楽しさを増えてくれる。洋服を真剣に選んでいる女性の姿は美しいし、かわいい。本屋にいる女性は美人が多い。

 そしてそこでの動きがきれいだ。買わない場合の戻し方がやはりいい。丁寧に戻す。選ばれなかった野菜のようにそっと戻す。投げない。試着した洋服であればお店の人に一言言って戻す。その一言が自分の気持の整理になるし、もっといいものを見つけるきっかけになる。

 そんな動きが目利きの力を上げていくように思う。どう選ぶのか。目利きに自信がついてくると、選ぶことがさらに楽しくなる。そしてもっといいものに出会えて、いい表情になっていくのだ。目利きの「美人のもと」サイクルだ。

 買物を楽しむ。どんどん店に出かけよう。選ぶことがうまくなっていくだけで「美人のもと」が増えていく。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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