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DOL特別レポートspecial「復権、ニッポンのクルマ!」

「セイフティーカーにも減税を」
――3識者が語る予防安全技術の普及策

【第3回】 2010年5月31日
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 欧米と比べ、どちらかといえば「コストをかけて安全を買う」という発想が乏しかった日本。しかしここへ来て、「安全」が自動車産業における次世代マーケット形成の要であり、ひいてはそれが世界における日本車復権のカギという見方も浮上してきた(第2回参照)。クルマ社会において、今後さらに安全意識と技術が普及するには何が必要なのか。業界に詳しい、清水和夫氏、金子浩久氏、島下泰久氏の3名のモータージャーナリストに展望を語ってもらった。

予防安全技術に
おカネを使う人はどのくらい?

清水和夫(しみず・かずお)
1954年生まれ。プロのレースドライバーとして活躍した経験をもとに、自動車評論活動を行なう。特に安全問題、エネルギー・環境問題に造詣が深く、『クルマ安全学のすすめ』(NHK出版)など著書も多数。

清水:自動車にまつわる最近の話題は環境問題ばかりで、安全問題がおろそかにされているのではないかと危惧しています。交通事故によって年間90万人以上の負傷者が発生しているわけですから、絶対に軽視できない。そこで、安全なクルマ社会を実現する方策を議論したいと考えました。海外取材の経験が豊富な金子さんは、日本の安全問題の現状をどうお考えでしょう?

金子:クルマに限らず、日本と欧米では安全というものに対する考え方が違うと感じています。たとえば、今年の4月に車両火災で4人のお子さんが亡くなるという痛ましい事故がありました。

清水:使い捨てライターが原因だとされる事故ですね。

金子:はい。アメリカでは1994年にライターに安全装置の装備を義務化するという規制が始まっています。ちなみに、その安全装置付きライターを作っているのは日本のメーカー。この一件からも、安全に対する日米の意識の違いを感じます。

清水:欧米では、危険が起こる可能性がゼロでない以上は、コストをかけてでもリスクを減らそうと考えるんですね。一方、日本では安全と水はタダだと考えられる傾向がある。最新の自動車技術に詳しい島下さんは、そのあたりをどうお考えですか?

島下:だれでも安全なクルマに乗りたいと思うはずです。けれども、日本人が安全装備におカネを払う価値を見出しているかというと、疑問です。

清水:具体的には、どのような点でお感じになりますか?

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