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シャープ悲願の中国液晶生産
モジュール開発拠点を登記

週刊ダイヤモンド編集部
2010年6月1日
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 「中国・南京市へ、シャープ従業員が続々と集まってきている」(現地駐在員)

 シャープが、三重県亀山市、大阪府堺市に続いて、液晶パネルの生産拠点建設を目指している中国・南京市で、“変調”が見え始めている。

 昨年8月末に、シャープは、南京市、南京中電熊猫信息産業集団(南京パンダ)と、亀山工場の「第6世代の液晶パネル生産設備」を売却する方向で契約を締結している。同時に、第8世代の液晶パネル生産を合弁で行う協議も進める手はずだった。

 それから9ヵ月がたち、南京側との交渉は暗礁に乗り上げているかのように見えた。「第8世代の生産設備も(合弁ではなく)売却してほしいと言われたり、太陽電池の技術ノウハウも持ってきてほしいという無理な注文をされたりした」(シャープ幹部)という。

 ところがここにきて、ようやく、第6世代の生産設備を売却し、工場稼働に向けて動き出した。現地関係者によれば、目下のところ、液晶モジュールの設計開発を行う「液晶設計開発センター(R&Dセンター)」の登記を、南京市へ申請しているという。その建設に先立ち、現地の優秀な博士号取得者らをすでに囲い込んでいる。

 あるシャープ幹部は、「来年3月に、第6世代液晶パネル工場の量産体制を開始させる。当初のスケジュールどおりにプロジェクトは進んでいる」と断言する。シャープにとって、液晶パネル生産の海外シフトは初めての経験だ。

 もっとも、「第8世代の液晶パネル」の合弁生産に関しては、中国政府・発展改革委員会の認可待ちであり、交渉が頓挫している模様だ。シャープと同様に、韓サムスン電子が蘇州市に第7・5世代工場の、韓LG電子が広州市に第8世代工場の建設を計画中だ。早晩、米国を抜いて世界最大の液晶テレビ市場となる中国では、外資・地場メーカーが大型液晶パネル工場の建設を目指しており、“認可取得競争”が勃発している。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

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