株式レポート
12月7日 10時40分
マネックス証券

中国株 IPOの第2弾を受けて軟調なスタートか 主要経済指標などに注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 IPO再開で需給悪化もIMFによるSDR採用を好感して反発―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は週間で0.8%高と前週から反発し、上海総合指数も週間で2.6%高と大幅に上昇しました。
先週の上海総合指数はIPOの再開で需給悪化が懸念されたものの、IMFによるSDR採用を好感し、週前半に小幅ながらも4日連続で上昇し、一時節目の3,600ポイントを回復する場面もありました。ただ、新たなIPO銘柄群の上場が承認されたことで、再び需給悪化懸念され、週末に大きく売られて取引を終えました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン




香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、中国政府が住宅ローンの利息を個人所得税から控除する提案を検討しているとの報道が好感され、不動産株が大きく買われました。なかでも、華潤置地(チャイナ・リソーシズランド、不動産管理・開発、1109)や中国海外発展(チャイナ・オーバーシ-ズランド、不動産管理・開発、0688)などが週間で8%超上昇しました。また、4日の石油輸出国機構(OPEC)総会でサウジアラビアが減産を提案する見通しと伝わり、原油価格が上昇したことも支援材料となり、中国海洋石油(CNOOC、0883)が6%余り上げたほか、中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エネルギー、1088)が週間で5%近く上昇するなど、エネルギー関連株が堅調に推移しています。

<下落>

空運の国泰航空(キャセイ・パシフィック・エアウェイ、00293)は原油価格の反発によるコスト増加懸念が燻る中、週間で4%近く下落しました。また、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和が市場予想に届かなかったことから、金融株が大きく売られました。なかでも、保険大手の中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、2628)が週間で4%超下落したほか、中国工商銀行(商業銀行、1398)や交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーション、3328)も1%前後下落しました。

先週発表された主な経済指標

12月1日 中国製造業PMI 11月 49.6 市場予想 49.8 前月 49.8

11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.6と前月及び市場予想を小幅に下回りました。また、内訳をみると、新規受注(50.3→49.8)や生産(52.2→51.9)、雇用(47.8→47.6)などが軒並み小幅に悪化しました。

12月1日 財新(Caixin)中国製造業PMI 11月 48.6 市場予想 48.3 前月 48.3

10月の財新(Caixin)中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.6となり、前月及び市場予想を上回りました。また、上述の中国公式のPMIと共に依然として50を下回ったことから、政府による追加財政刺激および人民銀(中央銀行)による追加緩和が継続すると考えられます。
内訳をみると、雇用(46.0→46.5)が小幅に改善した一方、新規受注や生産、輸入価格などが一段と悪化しました。

今後発表される主な経済指標

12月8日 中国貿易収支 11月 市場予想 +641.5億ドル、前回 +616.4 億ドル
輸出 11月 市場予想 -5.0%、前回 -6.9%
輸入 11月 市場予想 -11.8%、前回 -18.8%

11月の中国の輸出は前年比5.0%減、輸入は11.8%減と予想されています。こうしたなか11月の貿易収支は641.5億ドルの黒字となり、前回から増加すると見込まれます。

12月9日 生産者物価(PPI、前年比) 11月 市場予想 -5.9%、前回 -5.9%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の47.5から46.7に小幅悪化しましたが、11月のPPI は-5.9%と前月から横ばいと見込まれています。

12月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 11月 市場予想 +1.4%、前回 +1.3%

一部食料関連価格が上昇したことを受けて、11月のCPIは前年比+1.4%の上昇と前月から上昇率が拡大すると予想されています。


12月12日 固定資産投資(前年比) 1-11月 市場予想 +10.1%、前回 +10.2%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。不動産や鉄道関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資が堅調に推移しても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。1-11月の固定資産投資額は前年比10.1%増と見込まれています。

12月12日 鉱工業生産(前年比) 11月 市場予想 +5.7%、前回 +5.6%

11月の財新製造業PMIが前月から小幅に改善したため、11月の鉱工業生産も前月から小幅に改善し、前年比5.7%増と見込まれています。

マーケットビュー
―中国株 IPOの第2弾を受けて軟調なスタートか 主要経済指標などに注目―

本土市場では上海総合指数が週間で2.6%高と反発しました。IPO再開による需給悪化懸念が重石となったものの、自律反発から上海総合指数は買い先行となりました。1日に発表された製造業PMIは市場予想に届かなかったものの、来年の経済運営の基本方針を決める中央経済工作会議が開かれるのを前に政策期待が高まり、その後も上昇が続いた上海総合指数は3日に一時3600ポイント近くまで回復する場面もありました。しかし、週末は新たに10銘柄のIPOが承認されたことを受けて需給悪化懸念が再燃し、利益確定売りが出て5日振りの反落となりました。

香港市場ではハンセン指数が週間で0.8%高と反発しました。週明けは中国当局による証券大手3社の法令違反調査が引き続き嫌気され、6営業日続落と軟調なスタートとなりました。その後1日と2日は中国指導部が今月中旬に開く中央経済工作会議への期待を背景に買い戻しが優勢となりました。しかし、3日に反落すると、イエレン米FRB議長の発言を受けて12月の米利上げが意識された上、本土市場で上海総合指数が大きく下落したことが投資家心理を冷やし週末も続落となりました。

今週の上海総合指数は第2弾のIPOを受けて需給悪化懸念が再び燻る中、上値の重い展開となりそうです。一方、香港市場でハンセン指数は、前週金曜日に発表された11月の米雇用統計を受けて米国株が大幅に上昇したこともあり上昇してのスタートとなりそうです。
 
今週は8日の11月の貿易統計や、9日の消費者物価指数及び生産者物価指数、12日の鉱工業生産、固定資産投資など中国で主要経済指標の発表が目白押しで注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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