今年1月末、エコカー補助金(環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度)が9月30日まで延長されることが決まった。長引く消費不況の下支え役として、我が国最大の産業である自動車業界、そして裾野の広い部品業界をフォローする施策であることは間違いない。

 だが、昨年末にも当コラムで指摘した通り、エコカー減税には数々の問題点があると筆者は考える。今回は、エコカー減税の素地となる燃費基準、特に国産車と外国車の内外格差について触れてみたい。

国交省ランキングと実燃費の間に大きな隔たり

 4月2日、国土交通省は2009年度の燃費性能に優れた乗用車ランキングを発表した。それによれば、1位はハイブリッドカーの代表格、トヨタ「プリウス」が選ばれた。

 同省によるプリウスの1リットル当たりの燃費は38.0キロ。2位はホンダの「シビックハイブリッド」で、同31.0キロ。3位はホンダ「インサイト」で同30.0キロなどとなった。

 同省は毎年、省エネルギーへの国民的な関心を高めること、省エネルギー車への注目度アップを狙ってランキングを公表している。

 昨年末、筆者は本コラムで「燃費5キロ、それでも『エコカー』を名乗る不思議」と題する原稿を執筆した。

 この中で筆者は、同省がエコカーを認定する際に基準としている「10.15基準」の矛盾に触れた。

 国内メーカー各社は、この基準をクリアするために、精緻な専用ギアシフトプログラムを導入し、カタログ上の燃費をより良く見せるための「企業努力」を展開している。先月発表された同省のランキングは、まさしくこのテスト結果を反映させたものに他ならない、と述べた。

ユーザーから集めた外国車の平均燃費データで分かったこと

 国交省のランキングとは別に、「e燃費」というサイトが発表しているランキングをご存じだろうか。e燃費は、アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジーという企業が運営する携帯端末向けのマイカー情報管理サービスだ。約40万人のユーザーから寄せられた車種ごとの燃費を平均したもので、先日、2009~2010年の1年間燃費平均値ランキングが公表された。