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ニッポンビジネス・ななめ読み

韓国製テレビのマネを始めた日本メーカー

相場英雄
2010年4月12日
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 一昨年のリーマン・ショック、その後の世界的な大不況の中、内外の電機メーカーは大幅な在庫・生産調整を強いられた。その後、緩やかなピッチではあるが、世界の個人消費は持ち直し、現在は中国など新興国市場の急成長に牽引される形で、各メーカーの生産は回復している。

 こうした中で、我が国の主要産業の1つ、電機の現状はどうなのか。身近な主力製品である薄型テレビを通して分析してみた。

世界シェア1位、2位を韓国勢が独占

 2009年11月、本サイトで「日本から『メイド・イン・ジャパン』が消える日」と題するコラムを掲載した。デフレ経済が長期化し、日本の消費者がそこそこの機能、そこそこのブランドで満足する傾向が強まるとともに、「かゆい所まで手が届く」フル装備の日本製品を買わなくなるのでは、と私見を交えてリポートした。

 同記事を掲載した直後、米国在住の旧知の金融関係者からこんなコメントをいただいた。「低価格の製品はもちろんだが、高機能な高級品でも日本製は既にシェアを落としている」

家庭に浸透するか?米見本市の目玉、3Dテレビ

パナソニックの尼崎工場で記者発表された世界最大152インチの3Dテレビ試作品(2010年1月7日撮影、参考写真)〔AFPBB News

 この関係者によれば、米国の家電市場、特に薄型テレビの分野では「韓国のサムスン電子がトップブランドで、日本メーカーよりも商品の訴求力が強い」とのこと。日本の家電量販店の様子しか知らない筆者にとって、にわかには信じ難い話だが、これは紛れもない事実なのだ。

 米調査会社ディスプレイリサーチによれば、2009年の全世界ベースでのテレビ出荷実績(液晶・プラズマ・LEDの合計)は、サムスンが23%でダントツの首位。次いで同国のLG電子が13%。韓国勢2社で全体の30%を超えるシェアを占めた。

 日本勢を見ると、ソニーが3位で11%。4位のパナソニックが8%、5位のシャープが6%、6位の東芝が4%。上位4社を合計しても韓国勢2社に対抗できない状態となっている。

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相場 英雄 Hideo Aiba

作家・経済ジャーナリスト。1967年新潟県生まれ。元時事通信社記者。2005年に『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞。2006年、時事通信社を退社、創作活動に。近著に『ファンクション7』(講談社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き 因習の殺意』(小学館)、『佐渡・酒田殺人航路』(双葉文庫)、『完黙 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編』(小学館)、『みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎 ~誤認』(双葉文庫)、『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 追尾』(小学館文庫)、『金融報復 リスクヘッジ』(徳間書店)など。


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日本のビジネスを深部で突き動かす見えない潮流。ありきたりの経済ニュースからは、その流れは見えてこない。作家兼業ジャーナリストの筆者がニッポンビジ ネスの構造を一刀両断。斜に構えた視線だからこそ見えてくる真実がある。

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