凡人が天才から学べること

僕が思うに、天才というのは「アイデアを広く出せる人」なんですよ。天才をどう定義するかというのはいろいろあると思いますけど、彼らに共通しているのが「早熟かつ多作である」という点ですよね。

たとえばピカソ。彼は14歳のときにスペインの王立美術学校に入学した時点で、デッサン力が標準をはるかに上回っていたと言われています。明らかに早熟ですよね。そして多作でもある。生涯2万点以上の絵を描いたと言われています。7回も画風を変えたりもしている。

発明の分野で言えば、エジソンでしょうね。発明王エジソンと言いますけれども、彼も1100以上も特許を生み出している。
彼を発明王たらしめた発明というのはそんなにあるわけじゃないけど、やっぱりそこには1100を超える特許の裾野がある。あとは有名なのが、3500冊のノートを書きつぶしたと言われているんですよね。ノート1冊に3個のアイデアが書かれていたと仮定しても、1万を超えてるってこと。ものすごい「多作」だと言えると思います。

日本人だと三島由紀夫という作家がいます。彼の処女作は『花ざかりの森』っていう作品ですけど、これが書かれたのは16歳のとき。旧制学習院高等学校ですでに出してます。若くして割腹自殺をするわけですが、それでもやっぱり作品数というのがずば抜けてるわけですよ。

ですから、天才というのは「広いアイデアを出せる人だ」と言っていいと思います。逆に言うと、僕たち凡人というのは基本的に「アイデアが狭い」ってこと。まずはこれがすべての出発点なんです。

でも、アイデアを広くするには方法がある。それを伝えるのがこの本(『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』)の目的だったわけです。今日のセミナーでもこの部分について、簡単にではありますが、お伝えしていきたいなと思っています。

(さらに「発想をめぐる人類共通の“勘違い”」の話題へと発展!?)
[第3回に続く 次は12/15(火)配信予定]