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新興フィンテック企業が巻き起こす
SNS的決済革命

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第369回】 2015年12月11日
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「P2Pペイメント」は
親しい間の金銭のやり取りに使う

「ヴェンモ」(Venmo)のWebサイト(https://venmo.com/)。知人にカンタンに送金できるスマホアプリのサービスである

 「ヴェンモ」(Venmo)というサービスが、ミレニアム世代(1980年以降に生まれた世代)に受けている。

 ヴェンモは、「P2Pペイメント」と呼ばれるカテゴリーのサービスである。個人から個人への即時直接支払いを可能にするものだ。同サービスは、直近の四半期で21億ドルのもの決済処理を行ったが、1年前は10億ドルにも満たなかったことと比べると3倍近くにも成長している。若者が盛んに利用しているのだ。

 同社は2009年に創設されたが、3年後に支払い処理のプラットフォームを開発するブレイントリーに買収された。さらに、その翌年の2013年、ブレイントリーがペイパルに買収されたため、ヴェンモは現在ペイパルの傘下企業となっている。

 ペイパルも個人から個人への支払いを可能にするものだが、大きな違いはヴェンモが知り合いの間での支払いサービスを中心にしていることだ。

知り合いの金銭のやりとりが
タイムラインに“なんとなく”出てくる

 たとえば、数人で食事をし、それを支払った友人に割り勘分を払うようなケース。あるいは、飲み代を借りたので、それを返したい時など。また、誕生日だからちょっとお金をプレゼントにしようと思うこともあるだろう。ルーム・シェアしている場合に、相手に家賃を払ったりするのにもよく利用されているという。

 そうした時に、スマートフォンのアプリで相手の名前を呼び出し、金額を入力すれば、それでおしまいだ。キャッシュよりも手軽で、アメリカでよく使われる小切手の手間とは比べものにならないくらい簡便。ペイパルによると、ヴェンモのユーザーは1週間に2~4回、アプリを利用してP2Pペイメントとしているとのことだ。

 支払い以上に面白いのが、SNS的なしくみである。友人たちのネットワークの中で、「誰が誰に支払った」という内容がツイッターのフィードのように表示される。金額は出ないが、絵文字などでハンバーガーやピザ、タクシーのマークが添えられていたりもする。いったい、そんな他人の支払いの軌跡など見て何が面白いのかと頭をかしげたくなるのだが、このフィーチャーもヴェンモの人気に一役買っているのである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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