ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

「スーパーマリオ」が一転“怪物”
ドラギECB総裁誤算のなぜ

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2015年12月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
英国・ロンドンのフリーペーパー「CITY A.M.」は、映画「グリンチ」のこの写真の顔に、マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁の顔を合成。「マリオ・グリンチ」とやゆした Photo:Everett Collection/AFLO

 「マリオ・グリンチがサンタ・ラリーをめちゃくちゃにした」。英国・ロンドンの金融街で配られているフリーペーパー「CITY A.M.」は、12月4日の1面でそう報じた。マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁をグリンチに模した合成写真を掲載し、やゆしたのだ。

 グリンチとは、人々がクリスマスを楽しんでいると山からやって来て、街を大混乱させる怪物のことだ(欧米ではよく知られた話で、2000年に映画化されている)。

 前日の12月3日に発表されたECBの追加金融緩和策は、市場から大きく失望された。これまでドラギ総裁は市場の期待を巧みに操ってきたが、今回は大きな批判を浴びた。筆者はちょうどロンドンに出張していたので、多くの市場関係者から「マリオのせいで損失が出た」との不満を耳にした。

 とはいえ、ECBは超過準備へのマイナス金利を0.1%引き下げ、量的金融緩和策(QE)の実施期間を少なくとも半年延長した。グリンチのように悪意を持って市場を混乱させたわけではない。

 しかし、10月以降の情報発信において、ドラギ総裁は事前の期待を高め過ぎてしまった。マイナス金利のさらなる低下や、QEの債券購入プログラムの金額拡大を市場は織り込んでいた。

 来年3月の理事会で、ドラギ総裁が追加緩和策に再びチャレンジしてくる可能性もあるが、今回の誤算はどこで生じたのだろうか。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧