書斎を持って本棚をオープン化する

 読んだ本をどうするかは、人によっていろいろでしょう。物理的に置く場所がなければ、仕方ありません。どんどん古本に出す・極力電子化する・電子書籍を買う・図書館で借りて読む、しかないでしょう。

 でも工夫次第で、本棚は結構つくれます。奥行き17cmの浅い棚を、床から天井まで伸ばせば、文庫本で600冊(単行本でも350冊)ほどが、幅75cmのスペースに収納できるはず。廊下の壁一面を、これで覆い尽くせば2~3000冊の蔵書は、それだけで収蔵可能なのです。

「何を」「いつ」「どう」読むか?<br />コモディティにならないための<br />「戦略読書」のススメ三谷氏宅の本棚(写真:京嶋良太)

 でも出来れば書斎を持ちたいところです。それこそ、廊下の突き当たりでも、リビングの一部やそのロフト内でも構いません。「書斎コーナー」で、いいんです。

 そこで本を読み、仕事や勉強をする専用スペースをつくりましょう。そしてそこをそんな本棚で囲いましょう。自分が何を読んできたか、読んでいるのかが、家族みんなにわかるように。

 最近小学校に行くと、教室内に留まらず、廊下もロビーもあらゆる場所が、子どもたちの作品で溢れています。作文だったり絵画だったり書道だったり。いわゆる「学びの集積」です。それは自らの自信にもつながりますが、下級生たちへの無言のメッセージでもあります。みんなはこれから、こんなことを学んでいくのだ、という。

 書斎も同じです。その存在や、そこでの「学びの集積」(=本棚に開架された書籍群)を通じて、親の学びが子に伝わったりするのです。私の書斎の本棚からいつの間にか消えた本たちが、娘たちの部屋の隅で発見されたりするのも、きっと悪いことではないのでしょう。

 書斎がムリなら、ちょっと廊下をリフォームして「家族図書室」という作戦もあります。連載の第7回では、そんな書斎のつくり方を少々。