プロジェクト途中の継続判断で、中断が決まってしまうと、関わっていた人たちにとっては辛いものです。

 しかし、
 ・予定どおりには絶対に完成しないプロジェクト
 ・完成しても誰もうれしくないプロジェクト
 を作るよりは、ずっとずっとマシです。

 そうしたプロジェクトに参加するのは、個人個人にとっても心をすりつぶしますし、キャリアの回り道です。

 そして、ひとつ大事なことがあります。
 このような厳しい判断をITプロジェクトの当事者であるエンジニアに任せるのは、無理スジです。
 当事者は、会社全体から見たプロジェクトの価値を正しく判断する材料を持っていませんし、なにより「ここまでやってきたからには」と思ってしまうからです。
 こうした厳しい判断をエンジニアに丸投げするのではなく、経営者が責任持つべきです。

 わたしが、新刊のタイトルを『会社のITをエンジニアに任せるな!』としたのは、もちろんエンジニアをリスペクトしていないからではありません。
 そうではなく、「ITは誰かに丸投げするのではなく、経営者が自分で判断すべきです」と言いたいからなのです。