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お得で楽しい次世代”仮想グループ”割引
グルーポンがショッピングを変える!

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第98回】 2010年6月9日
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 ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)をネタにどう金を儲けるか。

 フェースブックを見てもわかる通り、広告以外にはなかなか有望な鉱脈が見つかっていないのが現状だ。しかし、このサービスはもしかしたら大きく化けるかもしれない。グルーポンである。

 「グループ」と「クーポン」を合わせた造語を社名に掲げるグルーポンは、集団の購買力を元手に、小売店からディスカウントを引き出すというサービスを提供している。仕組みはこうだ。

 まずは、会員登録。ここでは、自分が住む都市を登録して、地元の情報が受け取れるようにしておく。グルーポンのサイトには、毎日「今日のお得情報」が載っている。会員になればメールで連絡も来るが、その内容はたとえばレストランやエステサロンなどでのディスカウントから、店頭の商品の値引き、自動車のメンテナンスや旅行料金のディスカウントまでと、さまざま。値引率はたいてい50%以上と、とても大きい。

 「これは買いたい」と思えば、ディスカウントのクーポンの購入手続きをとる。ただし、このセールが成立するのは、店側が指定する一定人数が集まった時だけ。つまり、24時間以内に自分と同じように買いたいと考える客がこのグルーポンのサイトに集えば、そのディスカウント料金で商品が買えるのだ。

 取引が成立すると、グルーポンからクーポンをプリントアウトするリンクが送信されてくるので、そのクーポンを持って店へ向かうわけだ。この一連の流れでわかるのは、グルーポンではSNS的かつゲーム感覚でショッピングが楽しめ、お得な思いをできるということである。

 グルーポンに登録しているメンバーは、現在580万人以上。これまで発行したクーポンは580万枚以上で、グルーポンの会員は総額240億ドルの節約をしたと、同サイトは明らかにしている。

 これまでも、オンライン・ショッピングの一環としてグループ・オークションといった仕組みがあったが、グルーポンはこれに似ているものの、いくつかの点で人気につながる巧みさがあった。

 まずはタイミング。不況でモノがさっぱり売れない時代に、50%という値引率はかなり魅力的だ。2008年にサイトを立ち上げたグルーポンは、クーポンというディスカウント商法でショッピング・サービス・サイトを成立させる方法を見出したわけだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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