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「顧客の創造」がマーケティングの目的である

専門業者向けデータをビジュアル化
最終消費者に向けて災害リスクを「見える化」する

地盤ネットホールディングス|BtoBtoCの取り組み

河合起季
2015年12月22日
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業界で初めて地盤調査・解析のセカンドオピニオンを手がけ、不透明な慣行に風穴を開けたのが地盤ネットホールディングスの山本強社長だ。続いて、ウェブ上で閲覧できる「地盤安心マップ」を無料公開し、災害リスクの「見える化」に乗り出した。災害リスク情報の普及で消費者を啓発し、不動産業界のパラダイムシフトを目指す。

地盤に関する
情報格差をなくしたい

地盤ネットホールディングス 代表取締役 山本 強氏
後ろに見える機械は、独自に開発した地盤測定機「グラウンド・プロ」

 液状化や浸水、土砂崩れなど、自然災害による被害を大きく左右するのが「地盤」だ。最近、頻発する地震や水害を機に、自宅の地盤が気になるようになった人も多いだろう。だが、地盤の良し悪しの判断には専門的な調査と診断が必要。不動産会社、消費者との間に情報格差が生じている。

 そもそも戸建て住宅には、開発・分譲を手がける不動産会社、住宅を建てる住宅メーカー、地盤改良工事会社の3つの業界が関わっている。なかでも、不動産会社は地盤の情報を出したがらない。少しでも多くの物件を売りたいわけだから無理もないが、地盤に問題があれば、自然災害が建物に甚大な被害をもたらす。

 山本社長はこうした状況に疑問を感じ、「地盤に関する情報格差をなくす」という思いから2008年、地盤解析の専門会社を立ち上げた。
過剰に改良工事を誘発 することが問題に

 従来から、住宅地の販売に際して地盤の性能を開示する法的な義務はなく、規制もない。ただ、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって、住宅メーカーは住宅販売の際に瑕疵担保責任を問われるようになり、地盤の調査は必須となっている。地盤が軟弱な場合、地盤沈下によって住宅が傾いたり破損しないように「地盤改良工事」を行わなければならない。

 一見すると消費者にとって有利な法律だが、実は大きな問題があった。全国に約500社あるといわれる地盤改良工事会社は「改良の必要性の判断」と「改良工事の施工」を同時に請け負っていたからだ。当然、グレーゾーンの地盤を黒と判定してまで過剰な工事をすることになる。

 これに対して地盤ネットは、改良工事を受注しない唯一の地盤解析会社。「改良工事が必要」と判定された地盤について、第三者の立場からもう一度「工事の必要性」をチェックする。

 このサービスの普及には時間がかかったが、大手建築関連会社から調査を依頼されるようになったのを機に、事業が軌道に乗り始めた。

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