今年の大晦日に、RIZINという総合格闘技の興行が行なわれます。事実上、2000年代前半に世界中で人気を博したPRIDEの復活となる興行ですが、この興行を単なるスポーツ、エンターテインメントとだけ見てはいけません。ある意味で、大晦日の興行は今の安倍政権の政策の問題点を明確に示唆しているからです。

元大関・把瑠都がリング復帰
日本を愛する外国人の受け入れ拡大を!

海外エリート層は日本の総合格闘技がなぜか好き大晦日の総合格闘技が指し示す2つの示唆とは?

 一つは、外国人労働者の受け入れの問題への示唆です。

 今年の安倍政権の経済運営を総括すると、最大の問題は改革があまり進まなかったという点に尽きます。長期的な潜在成長率を高めるには、人口を増やすか生産性を向上させるしかありません。新・三本の矢で出生率の上昇を掲げたものの、その実現は容易ではないことを考えると、やはり政府は民間・地方の生産性向上に向けて改革を進めなくてはなりません。

 そう考えると、自由貿易ではTPPという大きな成果を得られたものの、規制改革では、ドローンや民泊など細かいイシューでの検討は進んだものの、農業や保育・介護、雇用制度などの大ダマでは大した成果がなかったのは残念というほかありません。

 ただ、その規制改革でも明るい動きはあります。地方創生特区を活用して一部の地方自治体が自ら規制改革に取り組み出していることです。その中でも特に注目すべきは、外国人労働者の受け入れです。

 外国人労働者の受け入れについては、国レベルでは、ざっくり言うと高度人材はポイント制による受け入れ、それ以外の単純労働者は技能実習制度による3年間に限定した受け入れを基本としています。