部下のやる気を削ぐ褒め言葉を使っていませんかあなたは上手に部下を褒めていますか?

 上司は「褒め上手」にならなければならないと言われて久しくなりました。もはや、部下を褒めるための実践研修がビジネスとして成り立つくらい。「褒める」ことに対する意識は、以前と比べて相当高くなってきたのではないでしょうか。

 ただ、意識は高くても言葉足らずで部下のモチベーションアップになっていないケースが実に少なくないようです。だとすれば、上司は骨折り損なのでしょうか。それでは、あまりに浮かばれません。では、褒め上手になるためどうしたらいいのか。みなさんと考えてみたいと思います。

「ブタもおだてりゃ木に登る」
人間だって褒められるとやる気が出る

 1970年代に一世を風靡した『タイムボカンシリーズ』をご存じでしょうか。タイムトラベルを題材にした、SFギャグアクションアニメシリーズで、不思議な力を持つ宝を求め、正義の味方である主人公たちと、悪役3人組が動物を模したタイムマシンなどのスーパーテクノロジーを有するメカで古今東西にタイムトラベルして、お宝の争奪戦を繰り広げる物語。

 なかでも特に注目の高かった『ヤッターマン』で人気だったフレーズが「ブタもおだてりゃ木に登る」。メカの一部からヤシの木が突き出し、それにブタがスルスルと上り、上記のセリフを呟いて消えるというものでした。そのブタが「おだてブタ」というキャラクターで大いに人気を博しました。当時は自分も子どもでしたので有名なことわざだと勘違いしていましたが、違っていたようです。

 ちなみにセリフの意味は、「人は褒めて、ご機嫌を取れば才能を発揮して、思いがけない成果をもたらすもの」とのこと。お世辞だとわかっていても、褒められるのはうれしいということ。これは歴史のあることわざではありませんが、人間関係のポイントを鋭くついた内容であるのは間違ありません。このことわざに触発されて、人をおだてていた方もたくさんいたのではないでしょうか。