高級時計の常識を破る大胆不敵なデザインと、スイス時計の伝統を発展させた複雑で美しいメカニズム。この奇跡の融合で世界のエグゼクティブの間で人気が高まっているロジェ・デュブイ。来日したCEOにブランド哲学と戦略を聞いた。

ジャン=マルク・ポントルエ
ロジェ・デュブイCEO

フランス・ナント生まれ。ビジネススクールで経営管理学を学び、セールスマネージメントの経験を数社で得た後、95年、LVMHグループに入社、パリでジバンシーのセールスディレクターに就任。2000年、モンブラン社の商品戦略開発副社長を経て、11年10月にジェネラル・マネージャーとしてロジェ・デュブイへ。12年2月から現職。

──世界には数多くの時計ブランドが存在しますが、ロジェ・デュブイと、他の時計ブランドの違い、特徴とは何でしょうか。

ジャン=マルク・ポントルエ(以下、ポントルエ) 時計ブランドは現在、スイスだけでも約700あります。その中でもロジェ・デュブイはハイエンドでしかも特別なポジションにいます。スイスの時計作り400年の歴史と技術を継承する伝統的なブランドでありながら、同時にソフィスティケートされたブランドでもあります。技術的には特にトゥールビヨン(重力が原因で起きる時計の精度の悪化を低減する複雑機構)で時計界をリードしています。この機構を二つ搭載したダブルトゥールビヨン・モデルは私たちの誇りです。

──現在、どんな方々が主な顧客になっていますか。

ポントルエ 世界的に成功している企業の経営者。しかも、男性ばかりでなく女性経営者の方々にもご愛用いただいております。そして、時計に対して深い造詣と情熱を持つコレクターの方々。中には数十本から、最高1000本も所蔵する方もいらっしゃいます。日本とドイツのお客さまのメカニズムに対する知識と理解は特に素晴らしく、お目にかかるたびに感銘を受けます。