株式レポート
1月8日 13時14分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

米国経済の勢いに陰り? - 米国マーケットの最前線

ADP雇用統計(前月差) 12月 +25.7万人 市場予想 +19.8万人 前月 +21.1万人(下方修正)
(予想)非農業部門雇用者数 市場予想 +20.0万人 マネックス証券予想 +20.0万人
ISM製造業景況感指数 12月 48.2 市場予想 49.0 前月 48.6
ISM非製造業景況感指数 12月 55.3 市場予想 56.0 前月 55.9
新車販売台数(年換算) 12月 1734万台 前月 1819万台

■雇用は堅調、でも・・・?

本日(1月8日)、利上げが決定されてから初めて米国雇用統計が発表される。当然今後の注目点はFRBがどのようなペースで利上げを行っていくかということになる。後述するが、労働市場の回復は依然として堅調に続いている可能性が高い。ただ、その他の経済指標を見る限り、米国経済の成長の勢いがやや鈍化している懸念がある。12月のFOMCで発表されたFOMCメンバーの2016年末のフェデラル・ファンド金利の中央値は1.4%だった。ここから逆算すると今年4回の利上げが行われることになるが、本当にそのペースで利上げできるか現時点ではかなり不透明だ。

まずは労働市場の関連指標について記すと、6日に発表された12月のADP雇用統計は前月差25.7万人の増加と市場予想を大きく上回って11月から増加数が加速した。前月分は僅かに下方修正されたが、10月以降の3ヶ月の平均は21.4万人増と堅調な増加の目安とされる20万人を上回る増加ペースだ。また、労働市場の先行指標である週間の新規失業保険申請件数も低水準が続いていることからも、労働市場の回復は堅調に続いていると判断できるだろう(グラフ参照)。

今夜発表の雇用統計の非農業部門雇用者数は、これらの先行指標の動きから堅調な内容となると見込まれている。市場予想では前月差20万人増だが、マネックス証券では同様に20万人増程度と考えている。

■雇用統計で想定される市場の反応

雇用統計が堅調であれば、利上げペースが上がることが意識されドル高要因となる。ただ、足下では世界的にリスク回避姿勢が深まっている。その要因は様々で、(1)中東情勢の緊迫化(2)中国経済の減速懸念の再燃(3)原油価格の大幅下落(4)北朝鮮の核実験などがあげられるだろう。さらに、後述するが、世界経済の不動の中心である米国経済の成長にやや陰りが見られることも遠因として働いているのではないか。

これだけリスクオフムード一色となると、事態の打開が図られる大きな材料が出るまではリスクオンに傾くことは考えにくい。雇用統計が堅調であってもややインパクト不足という感があり、一時的・短期的な反発はあってもトレンドの大幅な変化は期待しづらいのではないか。足下で117円台まで円高に振れているドル円を例に上げると、118円~119円で上値が重くなるとみている。

■鈍化が見られる米国の経済指標

12月のISM景況感指数は製造業・非製造業とも揃って市場予想を下回り前月から悪化した。特に製造業は2カ月連続で景況感改善と悪化の境目となる50を下回って(48.2)おり、状況は芳しくない。項目別に見ても、新規受注(49.2)、生産(49.8)とそれぞれ重要項目が50を下回っており、未だ底打ちの兆しは見られていない。非製造業もヘッドラインは55.3と水準自体は好調だが、2カ月連続での悪化である。

さらに、12月の新車販売台数は年換算1734万台と4ヶ月ぶりに1800万台の大台を割り込み、昨年6月以来の水準となった(グラフ参照)。昨年の米国は年間の新車販売台数が過去最高を記録しており、12月の数字も決して悪いものではないが、大幅な落ち込みはやや気がかりである。

■GDPNowの落ち込みと今後の利上げペース

経済指標の鈍化を反映し、アトランタ連銀が発表している最新のGDPの成長率予測値(GDPNow)も落ち込んでいる。11月には2%台だった成長予測が、足下では1.0%まで下方修正されている(グラフ参照)。このような状況下でこれまで再三に渡って「経済指標次第の金融政策運営」を掲げてきたイエレンFRBが、利上げペースを早めることは考えにくい。むしろ利上げペースを緩める方向になるのではないか。そうなれば当然米国株式市場には望ましいが、一方ドルの上値が重くなることが想定され、その場合日本株にはマイナスである。日銀の追加緩和という切り札が発動されなければ、日本株の大幅な上昇は期待しづらいかもしれない。


■用語解説

雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

12月号10月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で資産倍増計画![2018年版]】
1億円に早く近づく厳選56銘柄を公開
億超え投資家資産倍増の極意
・今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
プロが提言! 2018年に日本株を買うべき理由! 
・変化の追い風を先読み! 新デフレ&新興国株
・好業績&割安! 上方修正期待株&成長割安株
・第4次産業革命! 独自技術を持つ部品株
新iPhone上がる株 25
利回りが大幅アップ!「長期優遇あり」の優待株
・今買うべき新興国株投資信託ベスト25
ネット証券のサービスを徹底比較! 
・怖いのは死亡・入院だけじゃない!
「働けない」を 助ける保険! 
iDeCo個人型確定拠出年金老後貧乏脱出!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング