スマートエイジングライフ
症状別にみる健康管理術
【第5回】 2010年6月16日
福田千晶 [医学博士・健康科学アドバイザー]
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お酒との上手な付き合い方

 飲酒の機会が増えると、二日酔いや生活習慣病の悪化などが起こりがちです。

 空腹で飲むと胃から素早く吸収され、血中アルコール濃度は一気に上がり、悪酔いしやすいのです。「食べながら飲む」は厳守しましょう。

 おすすめは刺身、蒸し鶏、豆腐、鍋物の魚介など低脂肪のタンパク質を食べつつ飲み始めること。タンパク質を食べると、胃ではその消化活動が盛んに行われて、アルコールをあまり吸収しません。

 そして、アルコールは消化されたタンパク質と一緒に小腸に送られ、そこで徐々に吸収されます。血中のアルコール濃度は少しずつ上がり、肝臓でのアルコール分解も順繰りに行われます。ですから、悪酔いしにくく翌朝は気持ちよく目覚めます。

 チャンポンで飲むと酔いやすいので注意を。特に、大きな宴会などでは、まずビールで「乾杯!」して、ある程度飲んでから好みの日本酒やワインなどに変えるのが一般的です。

ビールの泡がアルコールの吸収をよくする

 ビールの泡は胃腸の粘膜を刺激して、次に飲むアルコールの吸収をよくします。ここで、よりアルコール度数の高い酒類を飲めば、吸収されやすく血中のアルコール濃度は急上昇。これが悪酔いの原因に。そのうえアルコールの種類が変わると気分が変わり、自分の適量を超えがちです。ビールで乾杯のあとは、すぐに好みのアルコールに変えましょう。

 アルコールの飲み過ぎが、糖尿病や痛風(高尿酸血症)、脂質異常症(高脂血症)などの原因や、増悪の誘因になることはよく知られています。特に、飲酒しながら、脂ものや甘いものを摂り過ぎることは避けて。高カロリーになり、病気の発症や悪化、肥満につながります。アルコール、甘いもの、脂もの、この3つの「あ」を同時に摂り過ぎない心がけはメタボ対策にも大切。

 二日酔いになったら、入浴やジョギングなどの運動はナンセンス。脳卒中や心臓発作の危険もあります。翌朝は水分を摂って静かに過ごし、アルコールが肝臓で分解されるのを待ちましょう。味噌汁、スポーツドリンク、フルーツジュースなども効果的。飲酒との付き合い方の最大のポイントは「飲み過ぎないこと」です。

福田千晶 [医学博士・健康科学アドバイザー]

慶大医学部卒。日本リハビリテーション医学学会専門医、日本東洋医学学会専門医、日本医師会認定産業医、健康スポーツ医。著作と講演を主に活動中。


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日々の生活の中で体に異変を感じてもなかなか危機感を持たず、知らぬ間に進行していくケースがあります。トリビアなど含め、症状に合った健康管理術をサポートしていきます。

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