株式レポート
1月12日 13時13分
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中国株 元高などから下げ渋る展開か 中国貿易統計に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 大幅続落 PMIの悪化や大株主の保有株の売却解禁などを受け―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は大幅に下落しました。ハンセン指数は週間で6.7%安と前週から続落し、上海総合指数も週間で10%安と大幅に下落しました。
先週の上海総合指数はPMIの悪化や、大株主の保有株の売却解禁、そしてサーキットブレーカーの導入を受けて、リスクオフムードが強まり、週2回サーキットブレーカーが発動され、取引が停止しました。8日に中国当局による複数の措置を受けて上海総合指数は下げ止ったものの週間で10%安と節目の3,200ポイントを割り込みました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<下落>

香港市場は、週間ベースで全面安となりました。カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ、1928)は外資系証券のアナリストが投資判断を引き下げたことから週間で14%超下落しました。銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテインメント、0027)もつれ安となりました。また、人民元安による資金流出懸念が燻るなか、リスクオフムードが強まり、金融関連株が揃って軟調に推移しました。なかでも保険の中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)や中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、2628)などが週間で10%超値下がりしたほか、商業銀行の東亜銀行(バンク・オブ・イーストアジア、0023)も11%余り下げました。

先週発表された主な経済指標

1月4日 財新(Caixin)中国製造業PMI 12月 48.2 市場予想 48.9 前月 48.6

12月の財新(Caixin)中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.2となり、前月の48.6及び市場予想の48.9を下回りました。こうしたなか、政府による追加財政刺激および人民銀(中央銀行)による追加緩和が必要になると考えられます。

今後発表される主な経済指標

1月9日 生産者物価(PPI、前年比) 12月 -5.9% 市場予想 -5.8%、前回 -5.9%

12月のPPI は5.9%減と市場予想を小幅に下回ったほか、46か月連続でマイナス圏にとどまっています。原油などの原材料価格が下落したことや中国国内需給の低迷などが主な原因だと考えられます。

1月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 12月 +1.6% 市場予想 +1.6%、前回 +1.5%

12月のCPIは前年比1.6%上昇し市場予想と一致しました。内訳をみると、食料を除くCPIと食料関連のCPIは共に上昇率が拡大しました。なかでも、野菜価格が前年比11.8%上昇したことが目立ちました。また、飛行機チケット価格も前年比2.3%上昇しました。



1月13日 中国貿易収支 12月 市場予想 +513.0億ドル、前回 +541.0 億ドル
輸出 12月 市場予想 -8.0%、前回 -6.8%
輸入 12月 市場予想 -11.0%、前回 -8.7%

12月の中国の輸出は前年比8.0%の減少と、輸入は前年比11.0%と予想されています。こうしたなか12月の貿易収支は前月から黒字額が減少し、513.0億ドルの黒字となりそうです。



マーケットビュー
―中国株 元高などから下げ渋る展開か 中国貿易統計に注目―

先週の本土市場で上海総合指数は悪材料が重なり大幅下落となりました。12月の財新中国製造業PMIが改善予想に反して前月から悪化したことで景気減速懸念が高まったことや、昨年7月に導入された中国証券当局による大株主や経営陣の保有株の売却禁止が1月8日から解禁となることでの需給悪化懸念、さらに年初から導入されたサーキットブレーカー制度も相場の波乱要因となりました。年明け最初の取引となった4日は売りが売りを呼ぶ展開となり、日本時間14時半ごろにCSI300指数の下げが7%に達したことでサーキットブレーカーが発動され、本土市場の取引がすべて停止となりました。その後、中国証券監督管理委員会(証監会)がサーキットブレーカー制度を改善する方針を示したほか、8日にも解禁される大株主による保有株の売却について市場に影響を与えないような措置を公表すると発表したこと、中国人民銀行(中央銀行)が定例オペで1300億元を供給したことも好感され5日に下げ渋ると、6日の上海総合指数は政府系ファンドの「国家隊」が主力株を買い支えたとの観測が浮上して反発し節目の3,300ポイントを回復しました。しかし、7日は中国人民銀行(中央銀行)が人民元相場の対ドルでの基準値を2011年3月以来の元安水準に設定したことが嫌気され、サーキットブレーカーが再度発動されると本土市場は日本時間の11時前に取引を停止しました。8日の上海総合指数は、証監会上場企業の大株主による株式売却を制限する措置(3カ月間に売却できる株式を発行済み株式数の1%以内とする)を発表したことに加え、サーキットブレーカー制度の実施を一時停止すると発表したこと、中国人民銀行(中央銀行)による人民元の基準値が小幅ながら元高に設定されたことなども好感され2%高となりましたが、週間では結局10%安となっています。
週明けの11日も上海総合指数は大きく下げています。投資家のセンチメントが依然として弱気に傾くなか、12月の中国の生産者物価指数(PPI)が市場予想に届かなかったうえ、今週中に売却が解禁される株式の時価総額が362億元に上ると伝わり株式需給の悪化を嫌気する売りが膨らみました。結局11日の上海総合指数は5%超安と節目の3,100ポイントを割り込んでいます。

先週の香港市場でハンセン指数も週間で6.7%安と大幅に続落しました。米国株安と原油価格の下落を加え、中国株の急落も重石となり投資家のリスクオフムードが強まるなか、4日から7日にかけて下値を模索する展開となりました。8日には中国当局による複数の措置を受けて反発したものの、米国の雇用統計を控えて様子見ムードも強く積極的な買いは限定的でハンセン指数の上昇は小幅に止まりました。
週明け11日のハンセン指数は大幅安からほぼ2年半ぶりに20,000ポイントを割り込んでいます。先週発表された米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を上回る改善となり3月にFRBによる利上げの可能性が高まったことに加え、12月の中国のPPIが市場予想を下回ったことで中国景気の先行きへの不安が強まったこと、中東情勢の悪化に伴う原油先物の続落などが相場の重石となりました。

今週中国市場では、上海総合指数が節目の3,000ポイントを維持できるかがポイントとなりそうで、3,000ポイント近辺で下げ渋ると昨日に大きく下げた後だけに反発も期待できそうです。11日のオフショア人民元相場で対ドル人民元が大幅に元高に振れたことから資金流出懸念がある程度和らいだことに加え、売られすぎ感も強まっていることから、節目の3,000ポイントがサポートとして意識されれば自律反発もありそうです。
香港市場ではハンセン指数が、昨日に2年半ぶりに割り込んだ20,000ポイントを回復できるかがポイントとなりそうですが、市場のセンチメントが弱気に傾いていることもあって、積極的な買いが限定的とみられます。また、オフショア人民元相場で元高が続くかが注目されるうえ、13日発表の12月の中国の貿易統計で景気減速懸念が後退することになるかも注目です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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