会話の中にも数を入れ、
「やせっぽちの7」や「太っちょの5」は認めない

 カレンダーも時計も、私は算用数字のはっきり書かれたものを選び、息子たちに見せて数字に興味を持たせ、会話の中にも数を入れるよう心がけました。

時計の長い針が5のところへくるまで10分待っていて」と言い、あやふやな「ちょっと」「すぐ」などの言葉は、母子の間に通じる暗号のようなものだということを息子たちが理解したあとから使いました。

 また、数字を書くときも、漢字やかな文字と同じように、正しく書くように求め、やせっぽちの7や太っちょの5などは認めず、字に大小はなく、1も9も同じスペースに書くように命じました。

 それができないうちは、字など書かなくてもいいと思っていました。

 数字を横に続けてくっつけて書くことにも、
「そんなにくっつけると、あなたの数えられないほどの数になるんだよ」

 と注意して、位取りがわからないのに親の欲目で勝手に読み取ってほめてやることは、絶対にしませんでした。

 また、細長いカードに0~9までを一組にして何組もつくり、そのカードで遊びを工夫しました。

 電話番号を並べたり、スポーツのスコアなどをマネて並べたり、バスの行き先などをカードでつくるうちに、記号としての数と、ある大きさの意味を持つ場合の数を知ります。

 カードを整理するとき、0~9までをひとまとめにして、1~0とまとめない(0を最後にしない)など、そのときの知能の程度をはかり知ることができます。

 計算などできなくても、お菓子を分けるときに3人だと分けにくいとか、大きそうなもの一つと小さいもの二つと、どちらが得かなど、直感的にわかることのほうを高く評価しました。