株式レポート
1月18日 12時3分
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ここからは買い - ストラテジーレポート

これまで買いを推奨するようなレポートを書いてこなかった。過去1カ月に書いたレポートは3つ。

2016/01/12

外国人はすでに売りにまわっている アベノミクス相場終焉の予兆

2015/12/28

2016年以降の経済・市場展望 PART2 日本株式市場

2015/12/18

常軌を逸した政策 株価急落の真相

いずれのレポートもアベノミクス相場が屈曲点を迎えつつあることを述べたものだ。12/18の日銀批判ではこう書いた。<アベノミクス相場も3年が経つ。相場用語で「小回り3カ月、大回り3年」というが、まさにアベノミクス相場も3年目の曲がり角に来ている気がする。今日の尋常とは思えない日銀の政策発表は、まさにその「曲がり角」の象徴である。アベノミクスの矢は新旧併せて6本。そのうち、唯一そこそこ機能していたのは日銀の金融緩和だけだった。しかし、ここにきて、その唯一機能していた矢も、事実上折れようとしている。>

12/28の年間展望ではアベノミクス相場の賞味期限切れで今年は5年ぶりにマイナスリターンになると予想し、1/12のレポートでは、その先駆けとして外国人が昨年は日本株を売り越しで終わったということを述べた。もちろん、この年初からの波乱の展開を予想できたわけではないが、年末年始のレポートではネガティブなことばかり述べてきたので相場が下がっても慌てて買う必要はないと思っていた。

僕のレポートの読者ならご記憶のことだろう。過去、こういう急落局面では度々押し目買いを推奨してきたことを。しかし今回に限っては、僕自身、まったく食指が動かなかった。そもそも年初からの下げに気味の悪さを感じていた。記録破りの異常な下げ方という点にではない。この下げ方に人間臭さを感じない点である。おそらくアルゴリズム取引が主導している下げだからだろう。『ウォール街のアルゴリズム戦争』(スコット・パタースン)によれば、米国でも日本(東証)でもコンピュータによるHFT(高速高頻度取引)が総取引量の4分の3を占めるという。

相場がこれだけ下げると、恐怖に駆られ総悲観になり、投げ売りや狼狽売りが大量に出る。それがセリング・クライマックスだ。ところが最近の売買代金を見ると全然膨らんでいない。恐怖指数との異名を持つボラティリティ指数は、本家シカゴのS&P500のものも日経ボラティリティ指数のどちらも昨年夏のチャイナショック時に急騰した水準よりはるかに低い。株価は既にチャイナショックの安値を下回っているにもかかわらずだ。恐怖や悲観や狼狽 - そうした人間臭さを感じない。コンピュータがアルゴリズムに従って淡々と売っているのだろう。機械が、文字通り機械的に売りを出しているのだ。

だから、いわゆる「コツン」とした感じがしない。その意味では、大底はまだ先でセリング・クライマックスがこれから来るという可能性はある。だが、しかし、いい加減いいところだろう。一発で大底は買えないから、ここから下は買い下がるつもりで、買い出動してみたらどうか。どうせここから下値があっても、あと1000円程度だろう。日経平均の1株当たり利益を保守的に1200円と見積もって、13倍というPERで評価すると1万5600円。それ以下まで下げたら目をつぶって買っていい。

投資の原則は、「落ちてくるナイフをつかんではいけない」。床に刺さったのを確認してから引き抜け - すなわち底入れを確認してから買えということだが、こういう真空地帯を下げたような相場は戻りも早い。打診買いを始めるにはいい水準だと思う。

相場が悲観に傾いていない理由は、個人投資家の損が膨らんでいないということも挙げられる。実際にマネックス証券における信用取引での追加証拠金の発生具合は、昨年夏のチャイナショックの時に比べて、件数は半分以下、金額は4分の1という少なさである。

なぜか?買いのポジションを持っていなかったからだ。昨年10~11月の相場の戻り局面で個人投資家は売り越している。ポジションを手仕舞ってキャッシュにしたままなのだ。個人の証券口座の待機資金を運用する商品である「マネー・リザーブ・ファンド」(MRF)の純資産残高は高水準で推移している。11月の日本郵政グループ3社の上場で利益を得た個人投資家の資金の大部分もMRFに滞留したままになっているだろう。ここからはそうした個人の押し目買いがそろりと出てくるのではないかと期待したい。

何を買うか。日経平均レバレッジ上場投信(1570)で短期的な自律反発狙いでもいいだろう。だが、日本を代表する大型優良株がバーゲンセールのように売られている。今後の成長ストーリーが描けるそれらの銘柄を長期投資で仕込むにはいいタイミングだ。

トヨタ(7203)、日本電産(6594)、村田製作所(6981)、TDK(6762)、ファナック(6954)、オムロン(6645)などである。これらはいずれもロボットや自動運転などAI(人工知能)の技術で日本の明日を拓く中核的なビジネスの主役である。いや、日本電産、村田製作所、TDKなどの電子部品は「中核」ではなく「黒子」かもしれないが、なくてはならない必須のコア部品を担う。IoT(インターネット・オブ・シングス:もののインターネット化)が大きなテーマとなっているが、どんなものでもネットにつながるなら逆に言えば「テーマ」が絞りにくいというか、もはや相場の「テーマ」にはならないだろう。あえて言えば電子部品はどんなところにも関わる。AI、ロボット、IoT、フィンテック、なにをするにも必須のものだ。

トヨタはこれまで自動運転にあまり積極的ではなかった。なぜか?豊田章男社長が大のクルマ好き、単なるカーキチではなく、自らハンドルを握ってレースにも出場するほど運転が好きなのだ。だからトヨタのキャッチコピーは「Fun To Drive」。ドライブの楽しさ。自動運転はそれを真っ向から否定することになる。

ところがその豊田社長が変わった。AIを研究するシリコンバレーの新施設に10億ドルを投入すると発表。WSJの記事によれば、この研究施設を率いるのは米国防総省の高等研究機関でロボット工学分野のマネジャーを務めたギル・プラット氏。また、グーグル・ロボティクスの元責任者も、トヨタが新研究施設で採用する予定の200人の研究者の中の1人として採用した。さらに、「ディープラーニング(深層学習)」を手がける東京のベンチャー企業に800万ドルを投資。2020年までに高速道路を自動で運転する車を生産し、AIとロボット工学による別のビジネス機会にも探っていくと同記事は伝えている。


カネも技術力もある世界最大の自動車メーカーがいよいよ自動運転に本腰を入れ始めた。その先にはAIとロボットのさらなる進化を見据えている。このトヨタのスタンスはただごとではない。つまり、豊田社長は、レーシング・ドライバーである前に、ひとりの経営者であったということだ。メインシナリオはトヨタ単独での開発となるだろう。だが、万が一、グーグルとの提携、なんて話になれば、世界が驚愕する。それこそ世の中が間違いなく変わるからだ。年初から暗い相場が続いてきた。正月らしく、そういう夢のようなストーリーに思いを馳せてみたくもなる。

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