結婚式の演出や衣装にこだわるのはもっぱら女性で、新郎となる男性は新婦のこだわりに付き合うもの――。そんな価値観を覆すアンケート結果を、ヤフーバリューインサイトが発表した。

 アンケートは今年5月にインターネット上で実施されたもの。首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)在住で、最近1年以内に結婚し挙式・披露宴を行った20~30代の夫婦300組を対象に行った。

新郎だってこだわりたい!?
一昔前とは違う結婚事情

 アンケートでは新郎新婦それぞれに「結納を行う」「豪華・綺麗なチャペル」「両親へのサプライズの演出やプレゼント」など28項目で、「こだわったもの」を聞いた。結果は9項目で新婦よりも新郎の方が「こだわった」という結果となり、他の項目でも新郎と新婦の「こだわり度」に差は少なかった。

「プロポーズの場所やシチュエーション」「オーダーメイドの結婚指輪」など、予想通り男性側のこだわりの方が強いものもあったが、「有名シェフによる料理」「料理や演出などのエコを取り入れる」「お色直しを複数回行う」などでも新郎の「こだわり度」が新婦の「こだわり度」を上回る結果に。ヤフーバリューインサイトは「これまでの新郎新婦の役割を覆すような結果が随所に見られた」としている。

 女性向け結婚情報誌『ゼクシィ』(リクルート)では付録に『彼専用ゼクシィ』を付けたり、結婚婚情報サイト「男のゼクシィnet」を立ち上げたりするなど、男性へのアプローチも多くなっている。新婦の意向が先行する結婚式から新郎新婦がお互いのこだわりと持って作り上げる結婚式へと、ウェディング事情も様変わりしているようだ。

イマドキ新郎は花嫁並にこだわり強し?<br />厳しい懐事情でも実現させたい“男の夢”

新郎新婦の不満
最多は「相手の貯金額の少なさ」

 また同アンケートでは、「結婚の準備を始めてから新生活を始めるまでの費用全般」について、『誰が』『いくら支出したのか』を自由記述回答で聞いた。総額からそれぞれの支出比率を算出したところ、新郎が33.8%、新婦が23.4%、新郎の両親が19.8%、新婦の両親が19.0%という結果になった。つまり、全体の約4割を各両親が負担しているというのだ。

 この結果と照らし合わせると興味深いのが、「結婚式の準備期間に、相手に対して感じた不安・不満」を聞いたもの。「プロポーズがあったのかはっきりしなかった」「相手がマリッジブルーになっていた」「結婚準備を自分に任せっきりだった」など様々な不安・不満がある中で、「不満や不安を感じた」と回答した人が最も多かったのは、「結婚準備のための貯金の額が少なかった」(新郎=17.3%、新婦=32.7%)。結婚準備のための貯金不足に不安・不満を感じる人が最も多いという、「現実的かつシビアな結果」(ヤフーバリューインサイト)となった。お互いの両親に約4割の負担を強いている現状は、当人たちにとって「不本意ながら親のすねをかじっている状態」なのかもしれない。

 最近のウェディングは新郎新婦ともにこだわりが強い。しかし、こだわりを全うするだけの貯金額を自分たちでは持ち合わせていない。その不安を力強く愛の力で乗り越えていくカップルがほとんどのはず……と思いたいところだが、はてさて。

(プレスラボ 小川たまか)