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陰山英男の「集中力」講座
【第1回】 2016年1月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
陰山英男 [立命館大学教授]

手帳に予定を詰め込む人は集中力がない証拠!
生産性を上げるための「10分休憩」のススメ

「午前中はいつも眠くて仕事がはかどらない。結局残業でカバーしてしまい、今日も寝るのは夜遅く。そしてまた次の日の朝がつらい……」。そんな忙しいビジネスパーソンのために、「高い集中力を維持するにはどうしたらいいか」をご紹介します。(構成・馬田草織、写真・公文健太郎)

集中力を鍛えたいなら
まずは手帳の使い方から

陰山英男(かげやま・ひでお) 1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。2003年4月、広島県尾道市立土堂小学校 校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やコンピュータの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。2006年4月から立命館大学 教授(立命館小学校 副校長 兼任)に就任。 現在は、立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校 校長顧問 兼任)。過去には、文部科学省・中央教育審議会 教育課程部会委員、大阪府教育委員会委員長にも就任。主な著書に、『学力は1年で伸びる!』(朝日新聞出版)、『若き教師のための授業学』(日本標準)、『本当の学力をつける本』(文春文庫)、『陰山メソッド たったこれだけプリント』(小学館)ほか多数。

 「集中力を鍛える」というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。「文字を逆さで書く」「3日前に食べたものを思い出す」など、慣れないことをして脳を刺激するイメージを持たれている人は多いのではないでしょうか。

 それも大事ですが、もっとカンタンで即効性のある方法があります。それは「時間の使い方を見直すこと」

 「時間の使い方と集中力との間に、いったい何の関係があるの?」と驚かれた方もいると思います。実は、この2つは切っても切り離せないもの。集中力とは、「少ない時間で大きな成果を上げる能力」と定義できます。

 大きな成果を上げたとしても、必要以上に時間がかかっているようでは、その人は「集中した」とは言えません。短時間で作業を終えて、はじめて「集中した」と言えるのです。

 実際に、時間の使い方を見ればその人の集中力がわかります。できない人の典型は、休養の時間をつくらず、仕事の予定をつめ込む人。手帳を見れば、3時間以上同じ予定を組んでいたり、予定と予定の間にスキマをまったく挟んでいなかったりします。

当然のことですが、人は長時間集中し続けることはできません。自分で長さを設定できるにもかかわらず、打ち合わせの時間を2時間も3時間もぶっ続けでとっている人はいませんか?

 繁忙期なら仕方ありませんが、一年中深夜残業を前提にして、予定を組んでいませんか? そもそも集中できる限界を超えて予定を組んでは、効率よく成果を上げることなどできません

 時間を管理し、集中しやすいスケジュールをつくることは、ビジネスの成果を上げることに直結します。そして上手に時間を管理するなら、手帳が最強のツール。集中力を上げたいと思うなら、まっさきに手帳の上手な使い方を知っておくべきなのです。

集中の極意1
いままでどう時間を
使っていたかを見直す

休養を入れると
逆に早く帰れる

 手帳の具体的な使い方に入る前に、ぜひ知っていただきたいことがあります。それは、集中は「休養」という土台の上に立っているということ。

 「休養」とは、10分程度の「休憩」や1日休める「休暇」、ほかに睡眠時間など、体を休ませることを指します。

 「休養なき集中」ということはありえません。1時間半~2時間につき10分程度の休憩を入れて、作業時間を短く切りつめるからこそ、集中できるのです。

 休養なしで働き続けてしまうとどうなるでしょう。働きはじめて2時間ほどしたら集中力が切れ、「昼食が待ち遠しいな……」「もういい加減早く帰りたいな……」と雑念が押し寄せてきます。

 夕方にはすっかり疲弊してもうヘロヘロ。「定時までにここまではやっておこう」というノルマも諦め、ダラダラ残業をしてしまう……。これでは生産性がどんどん落ちてしまうのがオチです。ここまで極端にはいかずとも、似たような経験をした方はいらっしゃるのではないでしょうか。

1時間半~2時間につき10分程度の休養を入れることで、時間に「仮のデッドライン」ができます。「あと30分で休憩だ、キリのいいところまで終わらせよう」「退社時間までに終わらせないといけないぞ。ラストスパートをかけよう」というように、締め切り意識を持って自分を追い込むことができます

 そうすることで、休憩なしの場合よりも生産性が高まる場合が多い。一見遠回りに見えるかもしれませんが、早く帰りたい人こそ、休養が必要不可欠なのです。

 「途中で休みを入れたくても、自分1人の都合だけではどうにもならないこともあるだろう」と思う人もいるかもしれません。2、3時間を超えるような打ち合わせや会議が、自分の権限を超えたところで設定されることもありますよね。

 そういうときは、「このままでは集中力が切れてクリエイティブな意見が出ません。10分休憩しませんか?」と提案することをおすすめします。

集中の極意2
1時間半~2時間に1度
10分休むクセをつける

(次回は1/28(木)公開予定。カンタンにマネできる、上手な手帳の使い方を紹介します)

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陰山英男 [立命館大学教授]

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。2003年4月尾道市立土堂小学校 校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。2006年4月から立命館大学 教授(立命館小学校 副校長 兼任)に就任。 現在は、立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校 校長顧問 兼任)。過去には、文部科学省・中央教育審議会 教育課程部会委員、大阪府教育委員会委員長にも就任。主な著書に、『陰山手帳』(ダイヤモンド社)『学力は1年で伸びる!』(朝日新聞出版)、『若き教師のための授業学』(日本標準)、『本当の学力をつける本』(文春文庫)、『陰山メソッド たったこれだけプリント』(小学館)ほか多数。
著者ウェブサイト http://kageyamahideo.com/

 


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