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中国の苦境 買い材料なき日本
年初の急落は大波乱の幕開け

丸山 俊(BNPパリバ証券日本株チーフストラテジスト)
2016年2月1日
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 昨年8~9月の人民元ショックから10~11月に株価がリバウンドしたときと同じように、人民元相場が小康状態に転じれば、(1)ECB(欧州中央銀行)の追加緩和期待、(2)日本銀行の追加緩和期待、(3)準公的年金やゆうちょ銀行・かんぽ生命保険、国内銀行勢の買いなどにより、日本株は3月に向けていったんリバウンドしよう。

 しかし、その先は2017年3月期の企業収益腰折れ(減益)への懸念、公的マネーの弾切れ、参院選後の安倍政権の憲法改正への傾斜、消費税率引き上げなど、日本固有の買い材料が乏しい。日銀も緩和手段は枯渇している。仮に追加緩和を実施しても、実体経済を押し上げる効果は小さく、株価上昇は一時的だろう。むしろ日銀の追加緩和が出尽くしとなり、日経平均株価は再び1万6000円まで下落しても不思議はない。

 中国で起こっていることは国際金融のトリレンマに起因する典型的な通貨危機の予兆として捉えることができる。

 1990年代後半のアジア通貨危機時、高成長・高金利・通貨高を背景に新興国に流入した先進国の緩和マネーが、新興国の成長鈍化や先進国の金融引き締め転換をきっかけに逆流し、新興国に通貨安をもたらした。当局は通貨安を食い止めようと為替介入を試みたり、金利を引き上げたりしたが、最後は外貨準備が枯渇して大幅な通貨安を余儀なくされた。

 多くの国でペッグ制など事実上の固定相場制を採用していながら、裁量的な金融政策と自由な資本移動を追求したことが、投機的な通貨攻撃を招いた。このとき中国が直接的影響を免れたのは自由な資本移動を制限していたためだ。

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