大局を見ているようで、
じつは驚くほど細かい

いいリーダーほど「本音」を言わない◎発売即重版!! 『最高のリーダーは何もしない』(1400円+税、ダイヤモンド社刊)

「密室インタビュー」のエピソードからもおわかりいただけるとおり、「細かいことは気にしない、我が道を行くリーダー」という典型的な社長キャラクターの人というのは、本当は多くないのだと思います。

むしろ、「繊細で傷つきやすく、細部が気になるタイプの人が、トップリーダーになっている」という印象です。

繰り返しになりますが、繊細であることは、リーダーにとって大切な資質です。

つねに注意深く周囲に意識を張り巡らしているからこそ、細かいことにすぐ気がつく。いろいろな角度で物事を検証し、自分の信念を深めてきた人が、リーダーとしても成功しています。

私は仕事柄、さまざまな企業トップと会議や食事を共にする機会があります。プロジェクトなどをご一緒する際には、優秀なリーダーほど、小さな文字の間違いや資料の不備に誰よりも早く気づきますし、作業をしてくれているアシスタントたちにも細やかに配慮し、感謝の言葉を伝えています。

こうした姿を間近で見るにつけ、一流のリーダーほど繊細であると確信させられるのです。

また、会食の際に毎回驚くのが、お礼のメッセージの早さです。会が終わってタクシーまでお見送りした直後、SNS経由で「今日はありがとうございました」とお礼のメッセージが入ることが少なくありません。

そのたびに私は「また先を越されてしまった……」と反省するわけですが、トップリーダーというのは本当に「マメ」です。

異性にモテる方が多いのにも、そういう理由があるのかもしれません。

これは以前にお伝えした「リーダー=考える人」であるということと無関係ではないのかもしれません。つねに多くのことに意識を張り巡らせているので、あらゆることに直感的に気づいてしまう瞬発力が鍛えられているのでしょう。