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牛歩で進む「人民元切り上げ」
年内利上げの観測は消えず

週刊ダイヤモンド編集部
2010年6月28日
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各国からのごうごうたる非難をかわし続けてきた中国が、ようやく人民元の切り上げに踏み出し、2008年夏以来の“事実上のドルペッグ”に終止符を打った。だが、事はあくまで中国当局のシナリオどおりに進む。小幅の動きが続くだろう。一方、国内のバブル不安は消えず、金利引き上げ観測は依然残っている。

2005年7月の「人民元改革」時は、当初緩やかだった切り上げ幅が後に拡大し、対ドルレートは3年間で約20%上昇した。内外の状況次第だが、今回も同様のパターンとなる可能性はある Photo:REUTERS/AFLO

 ようやく中国が動いた。6月19日、中国人民銀行(中央銀行)は、「人民元の弾力化」を宣言した。

 二つの人民元切り上げ圧力に、中国は長らくさらされてきた。国内のインフレ・不動産バブル懸念と、米国を筆頭とする先進国各国のたび重なる切り上げ要求──。

 1週間後にG20を控え、欧州発の金融混乱も小康状態の今、「外圧に先手を打つと同時に、国内を説得するにも好都合」(鈴木貴元・みずほ総合研究所中国室上席主任研究員)なタイミングだった。

 ドル買い人民元売りの介入は過剰流動性の一因だから、中央銀行はバブル不安解消に向けて一刻も早い“弾力化”を望んでいた。抵抗していたのは輸出への影響を懸念する商務部と、雇用悪化を危惧する政府上層部だった。

 だが、人民元切り上げと輸出税還付引き下げによって、脆弱な輸出企業を淘汰再編し高付加価値化を図ることは政府の既定路線だ。金融危機で一時棚上げされていたにすぎない。今回の弾力化声明は、「国内に対しても、構造改革を再開するという意思表明」(朱炎・拓殖大学教授)である。

 週明けの21日、人民元の対ドル相場は政府の制限幅に近い0.42%の上昇を見せた。市場は輸出や雇用への影響を吸収できると判断、また、人民元切り上げは金融引き締め効果を持つことから利上げは遠のいたとの観測も浮上し、同日の上海総合指数は前日比2.9%と大幅上昇した。中国関連銘柄の買いが進み、日経平均株価も2.43%上昇となった。

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