「マーケティングの基礎」を
わかっていなかった神田昌典

記者 「シンプルだけど深い気づき」というと、神田さんご自身は執筆中にどんな「気づき」があったのでしょうか。

神田 うーんと、うなりながら、自分自身、「マーケティングの基礎をまったくわかっていなかったことを痛感」させられたんですよ! だから、一からマーケティングの基礎を徹底的に学び直し、検証したわけです。

記者 ええ!!?? 総合誌で「トップマーケッター」に選出された神田さんが、マーケティングの基礎をわかっていなかった!! いったいどういうことですか?

神田 その検証結果を、すべて『稼ぐ言葉の法則』に収録しましたから、きっと新たな発見があるかと思います。
 ところで、「創造性」は何から生まれるか、わかりますか?

記者 う~ん? 「広い野原」と「自由な空間」からですかね。

神田 違います。正解は「管理」から!

記者 そんなことないでしょう! 「自由」があるからこそ「創造」があるのでは?

神田 実は、なんです。私も締切という「管理要素」がないと、一冊の本は絶対書けない。「締切とは創造の母」なのです。

記者 そう言われてみれば、確かに……。

神田 同様に、「才能」の母は「規範」。実は、私、学生時代にフェンシング部に所属していました。

記者 ええ?? 神田さんがフェンシングを(初耳)!?

神田 はい(笑)。当時、毎日、フェンシングの素振りを1000回やらされましたが、うまくなるためには、素振りという「規範」がどうしても必要です。
 これは、経営も同じで、今の時代は「規範」を失うことで、「才能」を手放してしまう個人や企業が多々あります。

記者 そうなんですね。