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北京・ミンスク決済同盟

Beijing Minsk Clearing Union

谷口智彦
2010年7月1日
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 中国は、人民元を国際通貨にしたがっている。けれども日本がしたように、国際資本移動を自由にし、市場の取引で円が自由にやり取りできる道へ進んだようには、一挙に進もうと思わない。

人民元は今より2割高くてよい

 米国のバラク・オバマ大統領は先頃、人民元の対米ドル相場は今より2割高くてよいと言ったらしい。

 ビル・クリントン政権発足当初、全く同じことを米国が日本に対して言ったのを思い出す。

 2割の円高を2年続ければ、日米貿易不均衡は2割改善する――そんな「理論」がホワイトハウス周辺で大いに人気を集め、現に市場を信じ込ませて、1995年の夏になだれ込んだ。

 1ドルが80円を割った時だ。

 経済学者ポール・クルーグマンらが「マサチューセッツ・アベニュー・モデル」と称して流布させたこの為替理論について、筆者は単行本やいろんなところで書いたからこれ以上触れないが、北京がもし日本円の辿った閲歴に関心を払ってきたのだとすると、大統領の口から「2割」という言葉が出るのを見てピンと来たとして不思議はない。

 人民元を市場の力にさらしてしまうと、結局ああなる。――つまり日本円のように暴力的通貨高へ持ち込まれ、その「履歴効果」によって、国内産業構成自体を変えられてしまう――とそう、北京が考えているとひとまず仮定してみよう。

 もしそう考えるなら、一見したところ矮小に見える中国流通貨国際化政策が、市場の暴力をせいぜい迂回しつつ、少しずつではあれ人民元の通用力を高める方途であるかに見えてくる。

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谷口 智彦 Tomohiko Taniguchi

日経ビジネス誌主任編集委員などを経て2005年8月~2008年7月外務省外務副報道官。記者時代に米プリンストン大学フルブライト客員研究員、上海国際問題研究所客座研究員、米ブルッキングズ研究所招聘給費研究員、ロンドン外国プレス協会会長など歴任。現在慶應義塾大学大学院 SDM研究科特別招聘教授、明治大学国際日本学部客員教授など。

 


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移り変わる世相を映し、次々生まれては消えてゆくのがbuzzword(話題の流行語)。このコラムでは国際情勢に精通した筆者が、海外で静かに話題に なっているbuzzwordから激変する世界情勢を読み解く。隔週木曜日掲載。

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