あわや大事故。クルマの運転中にそんな経験があれば、思い出してほしいことがある。それは運転開始から何時間後だったか。3時間を超えていたのではないか。

 警察庁科学警察研究所と共同で運転用シミュレーション機の改良研究に携わった関西福祉科学大学教授で東京大学特任教授の倉恒弘彦氏によると、「3時間以上運転すると、ブレーキを踏む反応が明らかに遅くなっていた」という。

「事故防止のため、2時間運転したら10分休憩」とよくいわれるのは、脳が疲労を感じると、神経・内分泌(ホルモン)・免疫系の働きに変調を来すため。動作の反応が鈍くなり、視覚的な注意力も低下するのだ。

 長時間の運転や仕事で疲れたときの手軽な回復アイテムは、「緑の香り」である。昼休みに公園や森林のそばで深呼吸をしてみよう。あるいは緑茶を飲んでひと息つこう。脳の疲労回復を助けてくれる効能がある。食べ物ではトリの胸肉などに含まれる「イミダゾールジペプチド(アミノ酸結合体)」や、ビタミンB1・C、コエンザイムQ10などには疲労回復の効果があると証明されている。