どちらの「読み方」を選びますか?

そこで僕たちに残された道は2つ。

ますます本が読めなくなっていく自分を、このまま放置して進み続けるか。

それとも、「新しい読み方」を身につけて、たくさんの本を味わう人生を取り戻すか。

前者の道を選ぶ人がいても全然いいと思います。
なんといっても僕は、「本を読んで、現代を生き抜く教養を身につけよう」とか「読書こそが『できる人』になるための王道だ」といった立派なことを説ける人間ではありませんし、本なんか必要とせずに楽しく生きている人もたくさん知っているからです。

でも、少なくとも僕個人は「本を読まない人生」よりも「本を読む人生」のほうが、はるかに楽しいと思っています。
たとえば僕が、いまやっている「年間700冊ペースの読書生活」をこのまま10年続ければ、7000冊の本を読むことになります。

「7000冊の本が自分の中を流れていく」なんて、想像しただけでもちょっとワクワクしてきませんか?

いま、ちょっとでもワクワクしていただけた人、なんとなく興味が湧いてきた人に向けて、今回の新刊『遅読家のための読書術』を書きました。

読書によって頭がよくなるとか、仕事ができるようになるとか、お金持ちになれるとか……この際、そういったことはいわないでおきましょう。

読書そのものの楽しみを知っている人、だけど、現状の読書量や読書スピードに不満を感じている人に役立つ考え方やメソッドを、自分なりの観点でこの1冊にまとめたつもりです。

1ページ5分近くかかっていた僕だってなんとかなったのですから、どんな遅読家でもきっと大丈夫!