「線引き読書」ほどムダなものはない!◎あなたの積ん読も、これで解消!!
『遅読家のための読書術』(印南敦史・著)

しかしだからといって、「本からなにも得られなくていい」なんて主張するつもりはありません

重要なのは、本から得られる価値を「自分の「頭の中」にため込む」のではなく、「自分の「外」にため込む」ことです。

そのための技術が、以前に紹介した「1ライン・サンプリング→エッセンス→レビュー」という3つのステップでした。

知識をため込もうとして線を引きながら読んでいる人は、2つの意味で読書に「失敗」しています。

1つは、「読むプロセス自体をストレに満ちた時間にしてしまっている」という意味で。

そしてもう1つは、「読書から得られたものをストックし損ねている」という意味で。いくら線を引いても、本の価値は「外の世界」には出てきません。本の中に眠ったままです。

ひとたび本を閉じて書棚に戻した瞬間、その読書体験は「なかったこと」になってしまう。それってあまりにもったいないと思いませんか?

ですから、僕のような凡人が本の価値をわがものにしたいのであれば、まずは「1ヵ所にまとめて書き出す」しかないのです。

そうやって本のエッセンスだけを「本の外側」に抽出しておかない限り、その流し読みは、本当に価値のない時間になってしまいます。