日本の株式市場に最も影響を及ぼす投資家が外国人投資家であることに異論を挟む者はいない。売買代金の半分以上を外国人投資家が占めている現実や、外国人投資家の売買と株式市場の騰落の相関性の高さから見ても明らかだ。

 一般的には各国市場の年初来のパフォーマンスは、上のグラフのようにそれぞれの自国通貨建てで比較される。

一方、外国人投資家から見たパフォーマンスは、米国人投資家ならドル建て、欧州投資家ならユーロ建てによる比較となる。下のグラフのとおりだ。

 ここで忘れてはいけないのが、日本人投資家の目線だ。米国ダウ平均にしても新興国の株式市場を見るにしても、円建てで見ると、また違った状況が浮かび上がる。

下のグラフの円建ての各市場の年初来の騰落を見ると、金を除いて上昇している市場はない。しかし、上の自国通貨建てでは日経平均の騰落率順位は9番目だが、円建てでは4番目に上昇する。

 円高の影響を受けて、他国市場のパフォーマンスが日本人投資家から見て悪化していることになる。