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フリーミアム戦略の数少ない成功者
個人向けインターネット・メモ帳で伸びるエバーノート

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第102回】 2010年7月7日
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 「クラウド」と「フリーミアム」。

 ビジネスにとって実に現代的と言える、このふたつの要素を兼ね備えて成功している企業がある。エバーノートというサイトだ。エバーノートは、インターネットを利用する個人のためのクラウド・サービスを基本にし、それを話題の「フリーミアム」戦略で広めているのである。

 まずは、エバーノートが提供するサービスがどんなものかを見てみよう。エバーノートとは、つまりは個人のメモ帳、あるいはクリップ・ブックのようなものだ。文章などのドキュメント、ウェブサイト、スクリーンショット、写真など、覚えておきたいもの、クリップしておきたいものを、エバーノートの自分のアカウントに、アップロードしておくのである。音声や画像のファイルもOKだ。

さまざまフォーマットにも対応
とても役立つ個人のデータベース

 アップロードされたファイルは、自分でつけたタグや作成日など、自動的につけられる属性によって分類される。後になってから、その中から見つけたいものがあるとしよう。探し物は、ファイルのタイプ別にも探せるが、キーワード検索でも、タグでも、ともかくいろいろな方法で検索することができる。名刺に印刷された部署名、PDFドキュメント上のキーワードなども検索が可能だ。

 この使い方は明らかだろう。今度の仕事に使えそうな資料を、そのファイルの種類に限らずアップロードしてまとめておく。あるいは、気になるものをクリップしておく。企画を立てたり、アイデアが必要になったりした時に、ボックスを開けて中味を見れば、役立つお宝がザクザクと出てくるのだ。あるいは、旅行の際に役立ちそうな情報をともかくためておく。いざ、旅行に出かける際にそれを見れば、行きたいところ、見たいものがちゃんとわかるのだ。

 エバーノートの使い勝手のいいところは、紙のクリッピングのように、いろいろなフォーマットのものを一カ所に集めておけること、そして使う目的はとりあえずとして、気になったものをどんどんためておけることだろう。それが自動分類、検索可能というインターネット上の機能によって、かつてのクリッピングより、ずっと役に立つデータベースになっている点である。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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