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キラキラネームな人生は損か、得か

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第149回】 2016年2月20日
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 過日のワイドショーを見ていたら、この人名を読めるか、という問いが出た。
 皇帝 一心 姫星 愛羅 士恵大 秀一郎――、等々である。読めますか?

 ご存じのとおりキラキラネーム(もしくはDQNネーム)と呼ばれるものだが、私は一ッつも読めなかった。正しい読み方は以下のとおりだ(キラキラネームに「正しい読み方」があるかどうかはさておき)。

 皇帝 → しいざあ 一心 → ぴゅあ 姫星 → きてぃ
 愛羅 → てぃあら 士恵大 → じぇだい 秀一郎 → ひーろー

 読めるかッ、んなもん。と思わず語気を荒げてしまいそうになったが、いるんですね、世の中には。子どもにこーいう名前をつける親。子どものために良かれと思ってつけているのでしょうか。

 命名研究家の牧野恭仁雄(くにお)氏によると、キラキラネームは平成生まれ前後から増え始め、命名相談で牧野氏を訪れる夫婦の、実に約三組に一組が信じられない名前を候補に挙げるのだという(牧野氏がその命名をやめさせているのかは不明)。

 どんな親が子どもにキラキラネームをつけたがるのか私は首をひねるが、牧野氏が言うところでは、「社会的地位の高い親」のほうがキラキラネームを好む傾向にあるとのことだ。ほんまかいな?

 厚労省が二〇一四年に発表した初産の平均年齢は三〇・四歳だ。あくまで平均とはいえ、三〇歳の親が牧野氏の言う「社会的地位が高い親」ってことなのだろうか。出版メディアで三〇歳と言ったらまだヒラですけどね。デスク(副編集長の下)のちょい手前です。牧野氏が言う。

 「(キラキラネームの)名付けは親のコンプレックスが表れる場面。受験勉強、大学入学、就活と似たような人生を歩んできた日本のエリートたちは、個性を求めてキラキラネームをつけるのかもしれません」

 そーかあ?

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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