あなたが「自己啓発本」で
成功できないのはなぜか?

吉田松陰に学べ!<br />偉人と凡人を隔てる“正しい狂気”の育て方シンガポール経済を支える(?)風水パワースポット「富の泉」にて。名著『嫌われる勇気』(電子版)と筆者

 『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)という本を知っていますか?

 本の存在を知らなかったあなたは後ろめたさを覚えてしまう可能性大。近年の「アドラー」ブームを巻き起こした名著である。

 2013年12月の発売以来、売り上げを伸ばし続け、今月2月2日には累計販売100万冊という偉業を達成してしまった。しかも日本だけでなく韓国でも爆発的な人気を博す、近年まれにみる「モンスター本」だ。

 そしてまた世界にも、知らない人が「モグリ」と言われてしまうほど、著名な本が存在する。

・スティーブン R.コヴィー「7つの習慣」
・ナポレオン・ヒル「思考は現実化する」
・ディール・カーネギー「人を動かす」
・ジェームズ・アレン「「原因」と「結果」の法則」

 ……などなど。

 もはやこれらの名著たちは、想像を超えるほどの多くの人々に知れ渡っている。しかしいったいどれだけの人が、これらの手法を自身の人生に活かせているのだろうか。読了後すぐは、「素晴らしい! 目から鱗が落ちた!」と感動に包まれるが、翌日にはまた、何事もなかったように同じ日常を繰り返してしまうのではないだろうか。かくいう筆者も、10年以上同じことを繰り返してきた。

 素晴らしき手法を知っているのに、行動に移せない。それはなぜか――。実は筆者は、このテーマを20年間ずっと考えてきて、ようやく考えらしいものがまとまった。そこで、この機会に紹介したいと思う。

 長年この問題を研究してきてわかったこと。それは、偉人と呼ばれる人たちは、素晴らしき手法を知った場合、居ても立ってもいられず、即座に行動に出る傾向が多いということだ。この、行動に移さなかった人と偉人との「行動差」には、いったい何があるのだろうか。偉人が持ち得て、行動に移さない人が持ち得ていないもの。それは「ある種の心意気」だ。

 その「ある種の心意気」とは「熱意」と「荒れ狂う」という、2つの想いが織り交ざった心意気のことだ。