>>(上)より続く

 しかし、調停の場では残念ながら、拓海さんの意見は全くといっていいほど聞き入れられなかったそうです。なぜなら、妻はあろうことかDVをでっち上げたのです。

「旦那の暴力から逃れるため、息子を連れて実家に戻ってきました。旦那のことが怖くて仕方がないので、結婚生活を続けるのは無理です。これからは私が1人で息子を育てていきます」という具合に。

 もちろん、拓海さんには身の覚えがなく、妻の言い分は真っ赤な嘘なのは明らかなのですが、いかんせん加害者認定された拓海さんが言い訳をすればするほど胡散臭くなってきて、裁判官や調停委員は被害者である妻の方になびいていったそうです。結局、DVの真偽について触れることなく、「DVの加害者に子どもを任せられないでしょ!」と一喝されてしまい、拓海さんはほとんど何も言い返せないまま、半ば強制的に「親権は妻」という条件で離婚させられてしまったのです。

「離婚の計画や子どもの連れ去り、そして偽装DV……いとも簡単に認められるなんて信じられません。せめて男女平等にすべきでしょう!『離婚=男が悪い』って決め付けるのもおかしいし、『女=社会的弱者』だから保護すべきだなんて、じゃぁ、男はどうなるんですか?これじゃ、完全に逆差別ですよ!許せません!!」

 拓海さんは今までの人生、清く正しく生きてきたつもりだし、相手が誰であろうと平等に接してきたそうです。それなのに離婚の件では偏見の目で見られ、差別的な扱いをされ、嘘がまかり通るという悪夢のような経験を強いられたのですが、すべて拓海さんの価値観とは正反対だったので今でも腑に落ちないようで、当時の記憶がよみがえるたびに、胸を締め付けられるような苦しい思いをしているのです。

子どもとの面会を反故にされ
養育費は妻の小遣いに?

(4)「親子関係」

「ようやく嫁と離婚できたのは良かったのですが、息子と会わせてもらえず困っています」

 そんなふうに嘆くのは福田和也さん(32歳)。和也さんは離婚してから、まだ8ヵ月目。和也さんから離婚を切り出したので、息子さんの親権は妻に譲るのも致し方ありませんでした。