費用面で「1+1=1」に<br />相乗効果を出していく<br />JXホールディングス社長 高萩光紀Photo by Daisuke Aikawa

──新日本石油と新日鉱ホールディングスが統合し、7月に中核事業会社を設立した。売上高9兆円企業として本格始動する。

 売上高に見合う、筋肉質な内容の経営をしなければならない。なにより、2012年度までに800億円の相乗効果を出していく。そのほとんどは、石油精製販売の合理化によるものだ。

 まず、国内需要に見合った水準へ製油所の石油精製能力を落とす。13年度末までに日量60万バレルを削減するなかで、費用を210億円減らす。次に、供給体制を見直す。輸送所や原油タンカーを統廃合し、物流費用を90億円少なくする。資材や薬品などは2社で3000億円分を購入していたが、購買機能の共同化により100億円軽くする。支店の整理や広告費の一元化などで400億円を削る。

 統合しても、費用面では「1+1=1」にする。その間、次の成長戦略が何かを見極めたい。

──ガソリンスタンドの看板は、ENEOSに統一される。JOMOの店舗と競合は起きないか。

 国内の需要が減るなか、スタンドの数は減らざるをえない。スタンドも1店舗当たりの販売量を大きくするといった合理化が必要だ。だが、業界全体の8割は特約店という個人事業主。JXができたからといって、やめてくださいとは言えない。何十年と一緒に仕事をしてきたからこそ、納得できるかたちで話し合いをしていく。過疎地には、社会インフラ機能を残すために、支援も必要となるだろう。