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IFRS最前線

隠れ債務で純資産が激減する
退職給付会計の恐るべきパワー

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第16回】 2010年7月8日
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 2001年3月期に、会計ビッグバンの流れに沿って、退職給付会計が導入された。その前後に、企業の「隠れ債務」が明らかになると、ちょっとした騒ぎになった。実際、バブル崩壊後の株価の低迷で隠れ債務が膨らんでいる時期であり、企業年制度の変更や人事制度の改革などが相次いだ。

 IFRS(国際会計基準)が導入されれば、退職給付会計もさらなる変更を迫られる。一言で表せば、隠れ債務がより明確になる、というよりも、隠れていることができなくなるのだ。

退職給付の積み立て不足が
隠れ債務と言われるワケ

 退職給付会計とは、将来、退職する従業員に支払わなくてはいけない退職給付(退職一時金・企業年金)の総額と、その費用を捉えようとする会計処理のことである。IFRSが導入されれば、この退職給付会計はどのように変わるのだろうか。退職給付会計自体がかなり複雑で難しいのだが、ごく簡略化した図を使って、説明しよう。簡単に言えば、次のように処理されている。

 

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

IFRS最前線

2015年にも日本企業に強制適用される可能性がある国際会計基準(IFRS)。“世界標準”ともうたわれるこの基準の適用は、日本経済にどのような影響を与えるのか。IFRSを様々な角度から取材し、その実態に迫る。

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