この連載も今回で丸1年になる。第1回目の掲載が去年の7月21日なので、今回でようやく一周できたことになる。これも皆様のご愛読のおかげです。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

 というわけで、今回はいつもとは少し趣向を変えて「休活」と「プロボノ」をテーマに、社会貢献的生き方について語ってみる。普段は、日本の社会貢献の最前線を伝えている(つもり)だが、もう少し実用的というか、この連載を読んで社会貢献に興味を持った人が、実際に活動を行なうためのヒントを伝えることもそろそろ必要かと思った次第だ。

 世の中には、社会貢献に関心はあるが、社会起業家になりたいわけでもないし、NPOを立ち上げたいわけでもない。そんな人がたくさんいる。むしろ、そっちの方が多いだろう。職業としての社会貢献は、いまだに修羅の道なので、「そこまでハードコアな社会貢献はちょっと。もう少し穏やかな方法はないだろうか?」と考えるのが普通だ。

 そんな人たち、特にこの連載の主な読者であろうビジネス・パーソンにとっての、社会貢献活動法を考えてみた。それが「休活」と「プロボノ」の組み合わせである。

いままでなぜなかった?
休日活用術の指南本

 「休活」というのは、聞き慣れない言葉かもしれない。「休日活用法」のことで、都内のビジネス・パーソン向け勉強会界隈では少しは知られたサラリーマン・大田正文氏の造語だ。

 この「休活」を解説した「人生を変えたければ『休活』をしよう!」がベストセラーになっていて、5月のamazon総合ランニングでは5位にランクインするほど売れている。7月13日火曜日(まさに今日!)からは、コンビニのファミリーマートでも販売されるという。世の中の人は、そんなに休日の過ごし方に困っているのかと思うほどだ。

「ボランティアしたいけど、平日はちょっと・・・」。多忙な人の社会貢献ニーズを満たす「休日プロボノ」という選択肢ベストセラーになっている『人生を変えたければ「休活」をしよう!』(サンマーク出版)。著者の大田正文氏(写真右)は、自らの経験を踏まえ、休活することで人生が豊になると説く。

 

 大田氏は、勉強会の開催および出席数年間302回(2008年)という勉強会の達人だ。週7日のうち6日はどこかの勉強会に参加しているか、自分で開いている計算になる。会員数1000名を超える読書会にも参加しているから、ビジネス書の類にも詳しい。そんな大田氏が休活本を書いた理由。それは、いままで休日活用術を説いた本が無かったからだという。

 大田氏によれば、世の中には「平日の時間活用術」を説いた本は山ほどある。しかし、休活本は無かった。だから書いたというのだ。

 日本の社会人は、土日・祝日をあわせて年間119日の休日がある。1年365日のうち、およそ3分の1が休日である。これだけの自由な時間をいかに活用するかによって人生は決まる。だから休活が必要なのだ。