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希少品種のイチゴやりんごのオーナーに!
農産物ネット取引の進化

吉田由紀子
2016年3月3日
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 ネットでの生鮮食品販売が、ますます伸びている。楽天、Yahoo!ショッピングのような大手から、「八面六臂」のような飲食店向けサイト、生産者個人が運営するものまで、様々な規模のWEBサービスが登場している。

家族経営の農家でも、消費者と直接、取引をできるのがネットの強み。市場にはめったに出回らない、本当に美味しい農産物に出会えるのが、消費者側の醍醐味だ

 「糖度・色・大きさ、すべて最高品質の青森りんご」「全国でも珍しい白イチゴ淡雪」「日本一の清流で育つ緑茶」「花粉症に効く幻の希少果実」。これらの農産物は、いま、あるサイトで販売されているものばかり。といっても、通常とはひと味違う方法を採用している。

 従来のネット販売は、すでに収穫されたものを売りに出す。収穫後の販売が原則だ。しかし、この流れを逆転させたのがOWNERS(オーナーズ)である。収穫物を販売するのではなく、これから栽培をする農産物や海産物を、オーナーという立場で予約購入してもらう仕組みである。

 オーナーになるとどうなるのか? 例えば、熊本県玉名市のいちご生産組合「新鮮組」では、白いちごの「淡雪」と「かおりの」、そして手作りジャムが収穫期間内に3回送られてくる。酸味が少ない「淡雪」は糖度が13~15度と高く、一般にはほとんど流通しない希少な品種だ。

 青森県平川市の「釈迦のりんご園」では「サンふじ」と「王林」、特製のりんごジュースを年4回発送する。こちらも、市場ではめったにお目にかかれない希少なりんごを手に入れることができる。

 りんごの甘さの秘訣は葉にあるのだが、葉をつけたまま育てると日差しの跡が実についてムラになるため、見た目を重視する一般の市場では規格外品になってしまう。一方、ギリギリまで葉を残す「葉とらずリンゴ」は、大変な美味にもかかわらず、市場には出回らない。この「葉とらずリンゴ」を送ってもらえるのだ。

 生産者のページを見てみると、日々の作業や生育状況がブログに綴られ、いつでも見られるようになっている。また、購入者は感想や要望も投稿でき、他のオーナーの感想も読める。白いちごの淡雪には「真っ白いちご、圧巻です。1月に届いたジャムはあっという間に食べ終わってしまいました!」。こんなコメントも投稿されている。

 「良い品を作っている生産者は家族経営が多いんです。そのため供給量が限られています。いつ、どこから注文が来るかもしれない状況下では、大量に販売するのは困難です。そうではなく、人数を限定し、時期もあらかじめ把握でき、誰に提供をするのかわかれば計画性を持って栽培できると思うんです」と語るのは、このサービスを企画した谷川佳氏(株式会社エル・エス・ピー)。

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