経営 × 採用

「ユニクロにはできなかったことを」を掲げたジーユーの改革
ジーユー代表取締役社長 柚木 治氏

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]
【第3回】 2016年3月4日
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「ユニクロのようなもの」からの脱却で見えたもの

多田 「ユニクロのようなもの」から脱却できた要因は何だったのでしょう。

柚木 とにかく現場の声を聞いて回ったことです。

 ひたすら店舗に顔を出し、今のジーユーに何が足りないかをヒアリングしました。そこで出てきたのは「ジーユーの商品は好きじゃない」「仕事だから着ているだけ」「ダサい」という言葉だったんです。

 商品を販売する店員からの声に愕然としました。自分たちの商品が好きじゃないのか、と。そこで若い店員たちにジーユーには何が欠けているか聞いたところ「ファッション性がない」と返ってくるわけです。「日本の服は可愛いけど高い。流行っているファストファッションは全部海外製」と聞いてハッとなり、ファッション路線に舵を切りました。

 そして2011年、「ユニクロには、できなかったことを。」というキャッチフレーズをつけ、「be a girl」という新コンセプトのもと、ジーユーはファッションと低価格帯を両立するブランドでいくと社内外に宣言しました。

 とはいえ、経営会議で発表した際は物議をかもしました。そりゃそうです、「ユニクロにできなかったことを。」なんて言っているわけですから。それでも柳井はジーユーのチャンレジを認めてくれました(注記:「ユニクロにはできなかったことを。」は2011年4月の池袋オープンにて使用)。

多田 まさに破壊的イノベーションの事例ですね。グループとしてこのような決断をし、変革がなされる社風が素晴らしいです。

柚木 これは柳井が大事にしていることですし、現場からの声をひろって変革していく社風はジーユー独自の文化でもあります。

 この改革は一見、ユニクロに対抗しているようにも聞こえますが、この退路を断つ覚悟で臨んだことが、今の結果につながっていると思います。その後、「be a girl」というコンセプトも再度見直し、2011年からは大々的なテレビCMを展開するなどしてメジャー化路線にシフトしました。

 2011年は東日本大震災が起き、テレビCMを自粛する動きもありましたが、「こういう時こそシュンとしても意味がない。こういう時だからこそ明るく、前向きに」とテレビCM放映を決断。災害に負けないことを考えていましたね。

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企業における「採用」を考える

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]

トップヘッドハンターとして活躍後、人事部長として株式会社ビズリーチ入社し、入社時に従業員30人だった組織を4年で500人に拡大させる。現在はキャリア事業のトップとして事業全体を統括し、「ダイレクト・リクルーティング」の日本での本格的な普及に努める。

 


経営新戦略3.0

これまで数々の企業と対話を重ねてきた採用コンサルのプロが企業に横たわる経営課題をトップに直撃、その解決策について議論する。

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