円の対ドル相場を見るうえで昨今最も的確なシグナルは米金利動向である(図1)。

 歴史的に日米景気の悪化局面から回復局面の米利上げサイクル突入直前までは、ドル/円相場は日米金利差でよく説明できる。近年、日本の金利水準は相対的に低いままなので、日米金利差でなく、割り切って米金利だけ見ても事足りる。

 2007年後半~08年の米景気悪化局面は、株安、金利低下に沿って、日本のような債権国から債務国・米国へのマネーの流れが滞り、ドル安(円高)になった。

 09年は年半ばに景気は底入れしたが、これに先行して株価が反発する頃にドルもいったんリバウンドし(金利から乖離し)、その後金利に見合う水準に反落するパターンを、今サイクルもたどった。

 本来なら次は景気回復が前進して米金利先高観の程度に応じて、ドル高・円安になる局面だ。しかしその米国経済に減速懸念が浮上している。背景は、家計や企業の債務削減の継続、住宅部門の回復ペースの低下、景気刺激策の効果一巡や期限切れなど、想定されてきたことではある。