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「肉食を減らそう」とシュワちゃんも発言、畜産が環境に悪いのは本当か!?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第151回】 2016年3月5日
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 昨年十二月、パリで開かれた「第二一回気候変動会議(正式には国連気候変動枠組み条約締結国会議と言う長ったらしい名前がある。略称はCOP21)にジェリー・ブラウン現カリフォルニア州知事とアーノルド・シュワルツェネッガー前州知事が招待された。

 その際、BBCの取材に応じたシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー氏の発言は、瞬く間に世界に広まった。

 「温室効果ガスの二八%は畜産によるもの。食肉のために牛や豚を飼育しますが、それも要因のひとつになっています。だから、肉食をやめろとは言いませんが、週に一日か二日だけ肉食をやめるのはどうでしょう。これだったら賛同してくれる人も多いはず。大きなチャレンジですが、でも我々はやっていかなければ。幸いなことに、私たちは肉を食べずともタンパク源を摂取できるんです。私の友人には、ベジタリアンだけど健康的な生活を実践しているボディビルダーだっていますよ」

 この発言が世界を駆けめぐった。

 「『この星を救うために、パートタイム・ベジタリアンを始めよう』とアーノルド・シュワルツェネッガー」(BBC)
「肉食を減らせば環境破壊を止められる、と主張するセレブにシュワルツェネッガーが仲間入り」(Fox News)
「肉食を減らせば地球は救われるとシュワルツェネッガーが語った」(AOL)
「『肉を食べるのは週に一食か二食に』シュワルツェネッガーが言及」(Meat Free Monday)

 シュワルツェネッガー氏といえば、かつてボディビルの最高峰とも言われる「オリンピア」で七回の優勝を数えるレジェンドでもある。体型維持のために肉食を続けてきたと推測されるシュワルツェネッガー氏の発言だけに、ニュースは驚きを持って報じられ、中にはこの発言を「偽善」と受け止める人たちもいた。

 シュワルツェネッガー氏がカリフォルニア州知事を務めたのは二期七年だ(二〇〇三~二〇一一年)。財政再建の失敗から「失われた七年」と揶揄されたが、環境分野への取り組みは高く評価されていた。

 その彼が、今度はベジタリアンへの転身を勧めている。肉食をやめれば地球は救われるとシュワルツェネッガー氏は言う。なぜ牛や豚を食べなければ地球が救われるのか、すぐにわかった人は、環境問題にかなり過敏な人だろう。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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