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社外プレゼンの資料作成術
【第10回】 2016年3月11日
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前田鎌利

心に刺さるスライドをつくる「写真」の選び方
――一流のプレゼン資料は「ここ」が違う!

営業、説明会、発表会……。社外プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、多くの人が苦手ではないでしょうか?そこで、ソフトバンクで孫正義氏のプレゼン資料をつくった著者が、秘伝の「社外プレゼンの資料作成術」を全公開。本連載では、その「シンプル&ロジカル」かつ、相手の心を動かす、「超」実践的なノウハウをお伝えします!

写真は「全画面」表示が基本 

 社外プレゼンは、聞き手の感情に訴えかけなければなりません。
 そのためには、論理的思考を得意とする左脳だけではなく、直感的に物事を把握することに長けた右脳を刺激するスライドをつくる必要があります。そして、右脳を刺激するのは写真などのビジュアル。これをいかに上手に活用するかによって、社外プレゼンの効果には雲泥の差が生まれるのです。

 まず重要なのは、できるだけ写真を大きく使うこと。
 下図をご覧いただければ一目瞭然ですが、同じ写真でも大きく表示したほうが、明らかに強いインパクトを与えます。ですから、スライド全面に写真を表示するのを基本とするようにしてください(写真の構図その他の理由で、全画面表示ができない場合は「画像=左」「メッセージ=右」)。そして、画像の上下左右に余白ができると、それだけで迫力がなくなりますから、必ずスライドの四囲で断ち落としになるようにしてください。

 

「相手」が違えば、効果的な「写真」も違う

 もちろん、最も重要なのは「どのような写真」を使うか、ということです。
 これは、商品・サービスによって千差万別ですから、一般論としては語りえないことですが、1つだけ、絶対にはずしてはいけないポイントがあります。それは、聞き手の「目線」を意識するということです。 

 下図をご覧ください。これは、家事代行サービスの社外プレゼン資料を想定してつくったスライド。想定する聞き手は、専業主婦を中心とした家事の担い手の方々です。お気づきのように、洗濯物を干す人の「目線」の写真を使っています。そうすることによって、家事の担い手の方々から、「そうそう、洗濯物を干すのって面倒くさいんだよね」という共感を得ることができるからです。

 しかし、同じ家事代行サービスでも、あまり家事をしない年配男性などを対象にプレゼンする場合には、この写真では実感がわかないでしょう。

 そこで、私ならば下図のような写真を使います。家事をしない人でも、洗濯物をたたむ人の姿に何らかの思いを日々感じていらっしゃるはずですから、この写真を見せることで、「毎日、たいへんだよな。負担をかけてるな……」といった感情をもってくれるに違いありません。その感情をもっていただけたら、「なるほど、家事代行サービスで妻の負担を減らすことができる」とプレゼンに共感をしてもらえる可能性が高まるわけです。

 このように、プレゼンをする相手によって、違う写真を使用する意識をもつことはきわめて重要なポイントです。写真を使うことによって期待しているのは、相手の感情を惹きつけること。共感してもらうことです。そのためには、相手の「目」に映っている風景を見せることが大切です。

 ですから、社外プレゼン資料を作成するときには、とことん相手の「目線」を想像し尽くすことが不可欠です。「相手の人には、どんな風景が見えているか?」「その風景にどんな気持ちを抱いているのか?」。それを徹底的に考えるのです。そして、彼らに見えている風景がまざまざと脳裏に映り、彼らの感情が手に取るようにわかったときに、はじめて、本当に相手の心に深く訴えるプレゼン資料をつくることができるのです。

必ず「1000px×1000px」以上の画質を使う 

 なお、写真は必ず高画質のものを使うようにしてください。画質の悪い写真を使うとプレゼンを台無しにしかねないからです。粗い画質の写真は、見る人に不快感を与えます。プレゼンそのものが、ヤッツケでつくった安っぽいものという印象を与えかねないのです。 

 逆に、高画質でリアリティのある写真を使えば、見た目の印象も鮮烈でインパクトがあるうえに、丁寧につくり込まれた信頼できる資料だと認識されやすくなるでしょう。ですから、写真などの画像を使う際には、必ず「1000px×1000px」以上の画質のものを使用するようにしてください。このサイズの画質であれば、全画面表示にも十分に耐えられます。

 また、プレゼン資料ではイラストの使用は極力避けてください。イラストを使うとどうしても幼稚でチープに見えてしまいます。できる限り、リアリティのある写真だけを使うのが得策です。 

前田鎌利(まえだ・かまり)1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。各種  営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会なども担当。2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1 期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも多数担当した。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、株式会社ベネッセコーポレーション、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開している。著書に、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)。著者公式サイト:http://www.kamari-maeda.com/

 

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前田鎌利 

まえだ・かまり 1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも数多く担当した。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、株式会社ベネッセコーポレーション、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開している。


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