株式レポート
3月4日 13時36分
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どうなる、米国株?~雇用統計直前レポート~ - 米国マーケットの最前線

ADP雇用統計(前月差) 2月 +21.4万人 市場予想 +19.0万人 前月 +19.3万人
(予想)非農業部門雇用者数 市場予想 +19.5万人 マネックス証券予想 +19.0万人
ISM製造業景況感指数 2月 49.5 市場予想 48.5 前月 48.2
ISM非製造業景況感指数 2月 53.4 市場予想 53.1 前月 53.5

■雇用統計の先行指標は堅調

本日(3月4日)22時半に2月の米国雇用統計が発表される。既に3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ実施はほぼ可能性がなくなっているが、4月以降の利上げ実施可能性を見極めるうえで引き続き大きな注目が集まっている。

雇用統計の先行指標であるADP雇用統計は前月から21.4万人の増加と市場予想を上回って、前月から増加幅が加速した(グラフ参照)。ADP雇用統計から予測すれば、米国の労働市場の回復トレンドは継続しているとみるのが妥当だろう。

以前のレポートで労働市場の先行指標である新規失業保険申請件数が増加してきていることを懸念事項として紹介したが、足元では再び減少トレンドに回帰しており、特段の心配は不要であるとみられる(グラフ参照)。今夜の雇用統計の非農業部門雇用者数も堅調な増加が予想され、マネックス証券では市場予想とほぼ同水準の19万人増程度ではないかと考えている。

■底打ち気配の出てきた製造業景況指数とほぼ横ばいだった非製造業景況感指数

その他の米国経済指標の話に移ろう。1日に発表された2月のISM製造業景況感指数は49.5と5ヶ月連続で景況感改善と悪化の境目となる50を下回ったが、前月の48.2から1.3ポイント改善し市場予想も上回った。

指数の内訳を見てもヘッドラインを構成する5項目のうち生産(50.2→52.8)・在庫(43.5→45)・雇用(45.9→48.5)の3項目が改善、新規受注は51.5で横ばい、入荷遅延のみ小幅悪化(50→49.7)と内容的にもまずまず堅調な結果だった。

米国景気の失速懸念やそれに伴う利上げ観測の後退からドル売りの動きが広がり、昨秋のピーク時に比べると一定のドル安が進んだことが製造業の景況感改善に寄与しているのかもしれない。製造業の景況感には底打ち機運が出てきている。ただ、足元では再びドルインデックスは上昇傾向にあり、今後の大幅改善は期待しにくいだろう。

3日に発表された2月のISM非製造業景況感指数は、53.4と前月の53.5から0.1ポイント悪化したもののほぼ横ばいと言える結果で、市場予想ほどは悪化しなかった。1月分は12月分から2.3ポイントの大幅悪化で、米国経済の先行き懸念が拡大するきっかけとなっていただけに、ひとまず横ばい圏にとどまったことはポジティブに捉えられるだろう。ただ、本当に景況感悪化に歯止めがかかったのかどうかは不透明で、来月以降の動向も引き続き注目したい。

■米国株式市場の現状と見通し

米国経済をめぐる過度の不安は後退し、S&P500は3月3日時点で昨年末からの下落率が2.5%のところまで値を戻した。日経平均が11%安、DAX指数が9.2%安となっていることと比較すれば、米国株の底堅さが目立っている。それでは今後はどのような展開が想定できるだろうか。

グラフは2014年以降のS&P500と予想PERの推移を示したものである。予想PERが16倍を割り込んだところでは底打ち、予想PERが18倍に近づいたところが概ね天井となっていたことがわかる。足元の予想PERは16.7倍と大きな割高感がある水準ではない一方割安感にも欠ける水準で、値動きは想定しにくい。

ただ、予想PER18倍というのは企業の利益見通しに大きな不安がなく、中国経済や原油安といったリスク要因が顕在化する前につけていた水準である。ISM企業景況感指数が低空飛行を続けており企業利益の大幅改善は期待しにくい。さらに上述した不安要因が顕在化し、投資家の不安心理が高まっている今、再びPER18倍といった高値をつけにいくシナリオは描きにくいのではないか。

これらからすると米国株の上値は限定的だと見るべきだろう。筆者が独自に算出しているS&P500の騰落レシも足元で140%近くまで上昇しており、短期的に買われすぎ感のある水準である。ファンダメンタルズ面、テクニカル面どちらから見てもいったんは調整に備えておくべき局面ではないかと考えている。

■用語解説

雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

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