なぜ「サウジの女性リーダー」は
輝いているのか?

 私が、女性も男性も関係なく優秀なリーダーになり得ると確信したのは、サウジアラビアを訪問したことがきっかけです。
 サウジアラビアは、イスラム教の戒律が厳しい国で、親族以外の男女が同じ部屋で過ごすことは許されていません。結婚披露宴ですら、新郎と新婦が別々の部屋に分けられ、男性だけ、女性だけでお祝いをするくらいです。
 こうした話を聞くと、ますます「サウジアラビアは女性が抑圧された国だ」という印象を抱くかもしれませんが、現実はかなり異なります。

 これまで、サウジアラビアを4度訪問したなかで、最も衝撃を受けたのは、商工会議所を訪問したときのことです。
 この国では商工会議所も男女別に存在します。私が訪問したのはもちろん「女性商工会議所」で、建物に一歩入ると、もうそこには女性しかいません。受付から会議所会頭まですべて女性で、登録しているメンバーも女性のみです。
 訪問当時の首都リヤドの人口は130万人で、リヤドの女性商工会議所のメンバー数は1万人でしたから、けっこうな数の女性経営者がいることがわかります。女性経営者が財務相談をするための銀行も「女性支店」であり、支店長以下全員が女性です。