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デジタルが変えるインバウンド戦略
情報発信力の強化が課題

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【第109回】 2016年3月18日
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2016年2月に、米国大使館で開催された観光産業に関する講演会の様子

 今年2月下旬、都内の在日米国大使館主催による「観光産業におけるブランディング戦略」と題した講演会が開催された。日米政府関係者や、内外の観光分野の専門家が集結し、大使館内の講堂には全国から旅行会社やホテルの関係者などが集まった。

 講演では、日米政府の取り組みをはじめ、地域観光産業の研究者、さらには世界的なホテルチェーンや旅行サイト、ECサイトを運営する企業のマーケティング担当者などが、観光分野のブランディングとマーケティングについて持論を展開した。

 とくにマーケティングの視点から大きなテーマだったのは、スマートフォンが旅の情報収集から予約、購買まで、さまざまなシーンで接点となっていることだった。今後旅行者の主役となる若いデジタルネイティブな世代は、日ごろから片時もスマホを手放さず、それは旅行中も変わらない。指先一つで情報を素早く取捨選択する彼らをいかに「引き止める」かについても、議論が繰り広げられた。

スマホ画面の中で
旅行者の奪い合いが始まった

 観光産業は日本でも期待が高まる分野である。国内観光産業の市場規模はすでに3兆円を超える規模に成長している。もはや基幹産業の1つと言っていい。

 その成長をけん引するのが、外国人旅行者による日本観光(インバウンド)だ。観光庁(国土交通省)の発表によれば、2015年に日本を訪れた外国人旅行者は総計で1974万人となり、前年の1341万人に対して47%増という高い伸びを見せた。政府も2020年までの当初目標だった2000万人を3000万人に引き上げている(2015年はいずれも推計)。

アドビ システムズで旅行業界のデジタルマーケティング推進を統括するモハマッド・ガバー氏

 日本の外国人旅行者の誘致はいたって順調に見える。しかし、今後は日本を含む世界の主要国、主要都市間で旅行者の争奪戦が今よりさらに厳しくなるだろうと指摘するのが、アドビ システムズのモハマッド・ガバー氏だ。ガバー氏はアドビで旅行、接客業のデジタルマーケティング導入を推進する責任者で、冒頭の米国大使館の講演会では、パネルディスカッションのモデレーターを務めた。前職はIT企業の他、航空会社のマーケティング担当も務め、旅行業界の宣伝、集客施策に詳しい。

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